内容説明
彼にとって哲学の目的とはその「治療」、すなわち「蝿に蝿取り壷からの抜け道を教えること」にほかならなかった。あるいは死の床にあってすら、彼は「まるで魅入られたかのように人々が繰り返しそこに立ち戻ってくる命題、私はそういう命題を哲学の言語から消してしまいたいのである」と書きつけていた。
目次
1 生涯と時代(ウィトゲンシュタイン家;世紀末ウィーン ほか)
2 思想の展開(『草稿1914~1916』;『論理哲学論考』 ほか)
3 キーワード(世界;論理的原子論 ほか)
4 哲学のコンテクスト(言語論的転回;論理学 ほか)