内容説明
貨幣は貨幣だから貨幣なのだ。貨幣を根拠づけるものはただ貨幣だけ。社会と人間を貫く自己循環論法が恐慌をも生めば、自由をももたらす―いまもっとも注目すべき思想家・岩井克人の思想の核心を明かす。
目次
第1章 貨幣論
第2章 資本主義論
第3章 法人論
第4章 信任論
第5章 市民社会論
第6章 人間論
著者等紹介
岩井克人[イワイカツヒト]
1947年生まれ。専門は経済理論。東京大学経済学部卒、マサチューセッツ工科大学Ph.D.。イェール大学助教授、東京大学助教授、プリンストン大学客員準教授、ペンシルベニア大学客員教授などを経て、東京大学経済学部教授。著書に“Disequilibrium Dynamics”(日経・経済図書文化賞特賞)、『貨幣論』(サントリー学芸賞)、『会社はこれからどうなるのか』(小林秀雄賞)など
三浦雅士[ミウラマサシ]
1946年生まれ。小社(新書館)編集主幹。文芸評論家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ひろゆき
3
インタビュー形式の本はあまり読まないが、それが良いところは、話し言葉によってわかりやすく説明してくれることだろう。ただこの本は聞き手の対談者がときおり自己主張を出し過ぎているような(3ページ渡っているところも)。ヘーゲルの主人と奴隷の弁証法がマルクスに特別影響を与えたみたいな主張や、指さし呼称についての云々とか、私が首をひねってしまうところが聞き手役の三浦氏の主張に多く、対等な対談ではないためか岩井氏側から突っ込むことはないため、疑問がそのまま残ってしまう。まあ岩井氏の貨幣論会社論の概略はわかったかな。2018/03/13
Hiroki Nishizumi
2
分かりやすく、とても面白かった。この本も表題と内容との結びつきが弱く、むしほ岩井克人論入門とした方が良いのではないかと感じた。貨幣そのものが派生物だということ。資本主義は周縁を作るのではなく本当にあるのは差異だけということ。労働価値説によって支配された二百年は労働価値説を突き詰めることで労働価値説を突き崩していること。奴隷になってはじめて主体になること。言語も法も貨幣もデファクトスタンダードであること。信任についてなどなど。2016/10/04
ひろゆき
1
この本ではブッシュの出現で嘆いていますが、いま現在はトランプが。再読して理解は深まったが、結局そのほかの本も読まなければならないような。2018/08/07
soramame
1
対談形式でやわらかいので読みやすい。タイトルの市民主義社会って、一人一人の責任感や規範意識を動力源にした社会の事だと読めたのだけど、でもそれって実現のハードルがすごく高いような。まあ目標ということなのかな…。 2012/04/03
まさ
0
岩井経済学。読んで3ヶ月も経つと覚えていない2010/03/21