内容説明
村上春樹さんたち13人が話してくれたこと。
目次
1 ちょっと短めに…(テス・ギャラガー―生と死はつながっている;ベン・カッチャー―僕の漫画はもっぱら経済のことを描いている ほか)
2 じっくり何度も話しました…(村上春樹―『キャッチャー・イン・ザ・ライ』を語る;村上春樹―一九八九年の村上春樹 ほか)
3 日本でいろんな人たちと…(古川日出男―古川日出男という現象は運動体である;沼野充義―トランス・アトランティック・ドストエフスキー ほか)
4 じつはインタビューじゃないインタビュー…(ジョン・アーヴィング―アーヴィングはこう語った…と思う、たぶん 柴田元幸・構成 架空インタビュー)
著者等紹介
柴田元幸[シバタモトユキ]
1954年東京生まれ。東京大学教授。専攻はアメリカ文学。『生半可な學者』(白水Uブックス)で講談社エッセイ賞、『アメリカン・ナルシス』(東京大学出版会)でサントリー学芸賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やまぶどう
19
柴田元幸による16回のインタビューを収録した本。インタビュイーはこれから読みたいと思っていた作家、好きな作家、好きな訳者ばかりでどれもこれも興味深い。リチャード・パワーズ、ケリー・リンク、村上春樹、ユアグロー、内田樹、岸本佐知子を楽しく読んだ。アーヴィングのインタビュー録やエッセイを元にした仮想インタビューの試みも面白かった。やっぱりこういう本は図書館で借りるのではなく手許において、次の読書の指針にしたり、読書後に改めて反芻したりする方が断然楽しいと思う。ので買う!2009/08/02
sibasiba
10
柴田元幸が作家とか翻訳家とか色々インタビューしたものを纏めたの。ケリー・リンク読まなきゃなー。何本か読んだ覚えがあるが、他の本か雑誌で読んでたのかな。それにしても文学や小説の話も興味深いが、翻訳については凄く楽しく読んだ。翻訳って行為自体に何か昔から惹かれるんだよな。自分で挑戦したいとは欠片も思わないが。2014/12/17
ちゃっぴー
8
パワーズ、ダイベック、ユアグロー、村上春樹、内田樹、沼野充義、岸本佐和子さんなどへのインタビュー集。どれも興味深く面白い。読みたいなぁと思う作家作品がまた増えました。2013/08/20
Lily603
7
★★★★+ 春樹さんのインタビュー目当て(1989年のユリイカで掲載されたものの再録)。あんまり期待してなかったけど、もうね・・・めちゃくちゃ面白いです。なにせ柴田さんの質問がうまくて、春樹さんの小説世界の根底をなすものが今までよりくっきりと掴めた。まだ自分の中で咀嚼し切れていないので、以下印象にのこった所を→/"どろっとした情念を取り去ったあとに残る根源的な魂の闇を描きたい"/"異議申し立て小説はあまり好きじゃない。不条理というか異物としての状況を前提として飲み込むところから話が始まらなくては"/2012/07/21
mejiro
6
著者によるインタビュー集。錚々たる顔ぶれだけでなく、内容もとても充実している。なかでも、本人との対談を含め、村上春樹に関する話題がおもしろかった。彼の作品がなぜ世界中で読まれているのか。彼の作品は物語の原型、重要な要素を持つという。村上春樹は説明が上手い、とどこかで読んだ気がするが、納得。映画『エルム街の悪夢』の喩えがわかりやすい。「不条理を呑みこむ」という言葉が心に残った。どの対話もとても活発で刺激に満ちていて、文学の豊かさ、すごさを実感した。2016/07/01