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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
那由田 忠
20
ローマ帝国でキリスト教が勃興した理由や背景を、社会学的理論で説明する新しい歴史の本。キリスト教の本をたくさん読んだが、従来の見方を覆してその歴史的本質をずばり解明している。ギリシア・ローマ社会のあり方をより深く理解することができる。大きな都市問題があったからこそ、それを解決する力を持っていたキリスト教が広まったのである。最大のポイントは、帝国がキリスト教を弾圧したと言われるが、一部指導者への弾圧だけで一般信者が放置されたこと。教徒とわかる名前がたくさん記録されたことが証拠のようだ。今年最大の刺激を得た。2018/12/25
ようはん
19
古代ローマ帝国は少子化傾向にあったという漠然とした知識はあったがその実態として男女格差による女児の間引きと中絶技術の未熟さによる不妊と死亡事故の高さがあり男女の人口比がアンバランスであったという事。その中で女性の地位が高く間引きされる事が無かったキリスト教徒の女性が異教徒の男性の配偶者になる事が多くなり、改宗は親しい家族から起こり易いという事から次第に帝国内のキリスト教徒が増える一要因になったのは成る程なと感じる。2021/01/13
つっきー
5
初期のキリスト教会がローマ帝国でどのように発展していったのかを社会科学的手法でアプローチする本、一般読者向け。なかなか面白かった!著者が調査してたらしく、初期の教会の広がり方が末日聖徒(モルモン)の広がり方と似てる……など結構末日聖徒の話が出てくる。当時の都市の住環境が衛生面もろもろ劣悪で、そこに天災や略奪があり、癒やしが切実に求められていた時代だったんだね。さらに中絶や間引きで女性不足。。。聖書読んでると女性の存在感が大きいんだけど、さもありなん。2022/09/09
YúKa(ユーカ)@ハガレン読み終えました
4
キリスト教と女性については目から鱗が落ちた。だが、難しかった。
(まだない)
3
朝日新聞の書評をきっかけに読んでみたものの、なんかしっくりこなかった。著者はキリスト教がローマ帝国を席巻した理由を社会学的に考察しているのだが、件の書評は経済学者がその経済学的な一面を捉えて書いていただけだった。結局のところ、他の多神教よりもキリスト教の教義が優れているのだと著者は言いたかったのか?という感じ。しかし、ギリシャ・ローマ世界では生まれた子供の間引き(特に女の子の場合はほとんど産んですぐに殺したらしい)が一般的だったなど知らないことが多く、驚きだった。(2015/05/12読了)☆2.0点2015/05/12