内容説明
「あれさえあれば、世界一の金持ちになれる」そう言い残して、渋谷モヤイ像の前で、1人の老人が昏倒した。偶然そこに居合わせた5人の男女は色めきたった。リストラ男、借金地獄夫婦、スキャンダル政治家秘書など、負け組人生一直線のワケアリ連中。行き詰まった人生を打開するチャンスとばかりにお宝探しに乗り出した。しかし、搬送中のトラックから闘牛15頭が脱走し、東京の街は大混乱の真っ最中。5人はそれぞれお宝を独り占めしようと、あの手この手を繰り出すが、“金のなる木”への道のりは激しく険しく遠かった!?果たしてお宝にたどりつけるのは誰?そしてお宝の正体って。
著者等紹介
藤谷治[フジタニオサム]
1963年東京都生まれ。日本大学芸術学部映画学科卒。会社員を経て、下北沢で書店「フィクショネス」を経営。2003年『アンダンテ・モッツァレラ・チーズ』でデビュー。08年、『いつか棺桶はやってくる』が第21回三島由紀夫賞候補に。また、『船に乗れ!』三部作が2010年本屋大賞候補作に選ばれるなど、現在最も注目されている作家の一人である(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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あー
12
ドタバタで面白かった~♥️ギャルやらハイソぶった夫婦やら闘牛‥‥個性的なキャラが多くてびっくり。最後が妙にほのぼのしたファンタジーなのもギャップで楽しかった。2020/10/23
Penguin
11
【図】『船に乗れ!』が、良かったので読んでみる。 …随分と内容が違う(--;) ドタバタコメディって、こういうことかしら… 言葉が砕け過ぎていて、若干読みにくい… メインキャラクター5人中、4人が嫌いなタイプ… 所々、深い言葉もはいっているが、全体的にかなり砕けた印象。でも、お宝が気になり気になり、最後まで読んでみる。 お宝…いろんな意味でびっくりした!2012/09/06
CAFECAFE
10
一攫千金は楽じゃない。行く手を阻む交通事情、足を引っ張る強欲者、街に放たれた猛牛。幾多の困難を乗り越え、それでも目指せ!宝の島。取らぬ狸の皮算用に踊らされた強欲夫婦と無能な政治家の倅。この情熱を他に振り向けたらいいのに、と思いながらも死ぬ気で頑張る彼等に大笑い。今のところ空を見上げても与太郎は居ないよう。金の亡者じゃないってことで、とりあえず一安心です(笑)。2010/08/30
zazo嶋
8
「船に乗れ!」で一躍注目を浴びる事になる藤谷氏の新作は...これ本当に同一人物が書いたの??というくらいのコメディです。ひょんな事から「宝」の在処を老人の口から聞き出した訳アリの5人がその宝を巡って繰り広げる、ドミノ式の超ドタバタなスラップスティックなのですが、相当にバカバカしいですw。書いててきっと楽しくなったのか、相当のおバカコメディなので「船に乗れ!」のあの感じを期待して読むと...本を投げ出したくなるかもしれないですねw。それでいいのかぁぁ...というラストも含めて自分は嫌いじゃないですが。2010/07/27
しんちゃん
7
「舟に乗れ」以降のファンはこれに驚いたかもしれない。だけど、自分はこういうポップな作品をずっと待っていた。腹立つぐらい欲の皮の突っ張った身勝手な連中が、自分のことのみを考えて、我が我がとわちゃわちゃ動いてる。はっきり言って醜い。でもその無様な様子が滑稽で笑えてくる。しかもこのドタバタ劇の展開が猛スピードで、ひと息つく間もなくエンディングへと流れ込む。また人を食ったようなオチにも半笑い。著者にはこういうエンタメをもっと書いて欲しい。文学苦手の一読者はそう思った。2010/09/14