十日えびす―花嵐浮世困話

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  • サイズ B6判/ページ数 263p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784396632762
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

錺職人の夫が急逝し、義理の子供たちから家を追い出されてしまった後添えの八重。先妻の子・おみちと日本橋堀江町に引っ越して小間物屋を開いた。血のつながりはないが、実の親子のように仲の良い二人。新しい生活は希望に満ちていた。しかし、向かいに岡っ引きでも手を焼く猛女のお熊が住んでいたからたまらない。しかも、この鼻摘まみ者の息子におみちが気のある様子。頭を悩ます八重のもとに、自分たちを追い出した義理の息子が金の無心に現われて…。

著者等紹介

宇江佐真理[ウエザマリ]
北海道函館市生まれ。1995年、「幻の声」で第七十五回オール讀物新人賞を受賞しデビュー。2000年に『深川恋物語』で第二十一回吉川英治文学新人賞を、翌01年に『余寒の雪』で第七回中山義秀文学賞を受賞。以後、江戸の市井人情を細やかに描いて人気を博す(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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さなごん

27
救いがないといえば無い。でもこれが現実かなあ、なんて思ったりもする。こんなふうに人は生きていくんだ2015/11/27

baba

21
夫に先立たれ、義理の娘おみちと二人新たに小間物屋を始める八重。先に先に心配する八重に反して「どこで暮らしても同じ、他人と折り合いをつけて生きていこう」という娘が良い。7年振りの再読、初めは忘れていて新鮮でしたが、トラブルメーカー布団多叩きのお熊さんの場面で思い出した。2014/08/17

なにょう

14
人間関係。人間関係は難しいが、やっぱりこれも場数を踏んでいくしかない。★面倒くさい人はいる。全部が悪という人はいなくて、同じ人でも良い時もあれば悪い時もある。やられた、と思ったら、思いがけないところで助けられることもある。だがしかし、自分には八重のような分別は足りないので、付き合う人はよくよく選んだ方がいい。言葉も選んだ方がいい。★鶴太郎の結末は残念であったが、よくできたおみちとは釣り合いが取れないから、こうなったのも仕方ない。2023/04/23

aocchi

9
サブタイトルの「花嵐浮世困話」を「はなにあらしよのなかこんなもの」と訳すのが素晴らしいセンス!生さぬ仲の八重とおみちを中心に江戸の市井の人々の暮らしを描く秀作。お熊をはじめ、強烈な個性の人達が多く読むのに疲れたが、いつの世も人の心根は「こんなもの」なのだなとつくづく感じる。2022/08/16

朱音

9
市井物で読みやすいのはいいのだがどうも読後感がすっきりしない。庶民の日常・人情モノのお約束として、全ての人は誤解されていても実は善人で、最後は大団円、というものを期待しているのでちょっと肩透かし。現代モノならもちろんこういうストーリーはアリなんだけど、市井モノだからなぁ。2010/08/13

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