内容説明
三百年の間、国としての軍を持たなかった平安時代―だが“平安”とは名ばかりで、海賊や盗賊の横行、たび重なる大火によって、平安京は衰亡の一途を辿っていた。すでに王朝は、武家の軍事力と経済力なくしては立ち行かなくなっていたのである。保元元年(1156)7月、戦乱の火の手が上がった。崇徳上皇と後白河天皇の対立に、藤原摂関家の内紛が加わっての泥沼戦だった。源氏は一族の命運をこの戦に賭けたが、続く平治の乱で敗れ、壊滅状態に陥った。乱後、栄華を極める平清盛、かろうじて命をつないだ源頼朝と幼い牛若丸。日本を二分する源氏と平氏。20年の歳月を経て再び始まる攻防の歴史を描く一大叙事詩。