出版社内容情報
なぜ、戦後の日本に無規範人間が大量出現したのか?
『論語』を拠(よ)り所に、人間教育の原点を見直す!
<いま、なぜ『論語』なのか>
この半世紀、常に『論語』に関心を持ちつづけてきたのは、やはり内村鑑三の影響であろう。思い返してみれば「論語の位置から聖書を見、ひるがえって聖書の位置から論語を見る」は、私の唯一の「ものの見方」かもしれない。それはある意味で、日本の位置から西欧を見、西欧の位置から日本を見ることである。(本書1章より)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆーいちろー
3
若い人はいざ知らず、筆者が描き出す日本人の心性に深く根ざす「論語」的感性は自分にとっては異質なものではない。むしろ、近しい感覚と言ってよいだろう。これまで普通に日本人として過ごしてきた生活歴から、素朴なブッディストであると自分のことを規定してきたが、本書を読むと素朴なコンフューシャニストではないかとさえ感じる。まともに「論語」など学んだことなどないのに、常識的なあり方として推奨される態度、行動が「論語」に指摘され、自分の中にも息づいているのは、孔子の思想の普遍性と、日本人の儒教享受の力強さを物語っている。2013/05/11
snow
1
読んだのはノン・ブック版に大幅加筆された新装愛蔵版ですが、未登録なのでこちらに登録。付録(?)にその時代の中国地図と孔子と弟子の姿絵、略年譜があるのがうれしい。まえがきには論語の「入門書の入門書」と書かれている。参考論語に宮崎一定氏の翻訳が多用されていて、その後に原文となっており、わかりやすい。中島敦の「弟子」からの引用や現代社会に照らしたり、孟子や家康の話が出てきたりと、大変おもしろかった。2022/02/17
有無
0
山本七平だからでなく、論語が日本人の心にフィットすると感じる。たまに、読んでは自分を磨き直したいと考える。古典を現代に活かすが歴史の本分、そんなことが考えられる。2011/12/19