内容説明
古くは戦前から「病める大国」とされ、今にも崩壊するかに言われつづけてきたアメリカが、いまだ崩壊するどころか繁栄を続けているのはなぜか。アメリカの本当の強さの秘密を、日本人は見過ごしているのではないか。そんな疑問に駆られた著者が、一九七五年の昭和天皇訪米を機に渡米、アメリカ人の天皇観、人種問題、宗教問題など、広範なテーマに渡って精力的な取材を敢行、そこから導かれる考察をまとめた快著『日本人とアメリカ人』。本書ではさらに、アメリカに関する雑誌掲載論文三編を合わせて紹介。
目次
序章 天皇とおにぎり
第1章 なぜ「病める大国」は崩壊しないのか―植村女史の報告にみるアメリカ人気質
第2章 「現実的」と「個別主義」―「有色人種地位向上協会」会長との対話から
第3章 悪行も告白すれば許される―連邦政府資料館で考えたこと
第4章 日系人は、いかにアメリカに溶け込んだか―アメリカが見えてくる一つの視点
第5章 「空間的思考」と「歴史的思考」―なぜ、日本とアメリカの議論はかみ合わないのか
第6章 法規絶対社会・アメリカの怖さ―日本人が痛い目にあう根本的勘違いとは
第7章 レイシズムとアメリカ人―捕鯨禁止運動の背後にあるもの
第8章 「サザエさん」の世界、「スヌーピー」の世界―タテ社会とヨコ社会は、どこで交わるか
ライシャワー発言と勧進帳
モザイク国家・アメリカ二題
著者等紹介
山本七平[ヤマモトシチヘイ]
1921年、東京生まれ。42年、青山学院高商部卒。戦時中は砲兵少尉としてフィリピン戦線を転戦、マニラで捕虜となる。戦後、山本書店を設立し、聖書、ユダヤ系の翻訳出版に携る。70年発行の訳書『日本人とユダヤ人』が大ベストセラーになり、世の中に衝撃を与えた。日本の文化と社会を独自の手法で分析していく論考は、「山本学」と称され、いまなお広く読み継がれている。1991年、69歳で没す
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ドナルド@灯れ松明の火
がんぞ
Tom Zacky
さとこ