内容説明
隠密廻り同心から、奇怪な連続殺人の話が舞い込む。事件の少し前に、必ず妙な薬売りが現れるというのだ。紀州徳川家・薬込役の霧生院一林斎は、若君の頼方が江戸へ下向する少し前にも、そのような者が訪れたことを思い出す。頼方暗殺を目論む新藩主・徳川綱教の息のかかった抜忍では…危惧する一林斎に対し、敵は乾坤一擲の勝負に出る!瞠目必至の第五弾!
著者等紹介
喜安幸夫[キヤスユキオ]
1944年、兵庫県姫路市出身。98年『台湾の歴史』で日本文芸家クラブ大賞ノンフィクション賞受賞、2001年『はだしの小源太』『身代わり忠義』等で池内祥三文学奨励賞受賞。日本文藝家協会会員、日本文芸家クラブ会員、歴史時代作家クラブ幹事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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とく たま
1
頼方のちの吉宗の物語。身分低き側室の子で命を狙われる。正室に疎まれ、正室亡きあと、長兄綱教に疎まれる。吉宗の母は歴史上はっきりしていないが、ここでは誰も知らない妹が隠密に育てられている。その娘が仮の父母に疑念を抱きだし・・とうとうってことで、やっと気をそそる展開になってきた。今後頼方(吉宗)との出会いは、徳川の娘であることは知らされるのか、綱教は歴史上では早世するが果たして、隠密達はそれにどうかかわるか、見逃せなくなってきたなぁー2017/09/24
壱分銀知恵
0
佳奈も大きくなり隠密に近づいてきましたね。どう話を締めるのでしょうか?どこまで行くか楽しみです。2014/03/31
Suzu
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隠密家族シリーズ第5弾。佳奈に薬込役について打ち明ける。留左にも。出自についてはまた秘密だ。でもこれにより他の薬込役らは急患を装って霧生院に来なくても良くなった。それにしても綱教の人としての器の小ささ加減が腹立たしい。早く埋め鍼が効いてくればいいのにと思いつつ次巻に進む。2018/08/04