内容説明
紀州徳川家の若君・頼方を守るため、表向き江戸で鍼灸院を営む霧生院一林斎の親子。その一林斎に密命が下る。頼方を狙う元凶、正室・安宮照子に埋め鍼(暗殺鍼)を打てというのだ。国家老・加納五郎左衛門の下した決断だった。一方、頼方の命を狙っていた陰陽師・土御門清風は一林斎らの鉄壁の守りを破れぬのに苛立ち、新たな作戦に出る。波乱必死の第三弾。長編時代小説。
著者等紹介
喜安幸夫[キヤスユキオ]
1944年、兵庫県姫路市出身。98年『台湾の歴史』で日本文芸家クラブ大賞ノンフィクション賞受賞、2001年『はだしの小源太』『身代わり忠義』等で池内祥三文学奨励賞受賞。日本文藝家協会会員、日本文芸家クラブ会員、歴史時代作家クラブ幹事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とし
117
隠密家族「攪乱」3巻。安宮照子、土御門清風共に亡くなり式神と薬込役の対決は無くなるのかな、突然浅野内匠頭が登場してきたけど今後の展開はどうなるのか。2016/04/07
sken
4
藩主の三男坊を陰ながら守るため、市井の鍼医者として一家を構え、情報収集等にいそしみながら、ひとたびことが起きれば苦無を武器に敵忍群と戦う。割と設定としては斬新だし、家族(といっても、娘は実は藩主の庶子)の暮らしっぷりなどもいい感じでござんす。犬公方の時代なだけに、いろいろと問題も起きるけど、それもまた世界観としてはありだと思います。綱吉時代ってことは……。やっぱり、ここになってやっぱり出てきましたぃ、浅野内匠頭。癇性の困った殿として登場しましたが、これからどう絡んでくるのかなぁ?2013/06/12
壱分銀知恵
3
若様は殿様になり…この後どう進むんだ? 割と照子さま久女さん好きだったな。2013/04/07
とく たま
2
第二代紀州藩の四男で生まれたが身分低い妾腹が為、宮家からの正室に疎まれ、命を狙われている。藩主は薬込役(後の御庭番)に頼方の影警護をさせている。鍼灸の療治院を隠れ蓑に夫婦が江戸に潜んでいる。娘がいるが、誰も知らない頼方の兄弟。娘はいつそのことを知るのか?頼方との再会はあるのか話の展開が待ち遠しい。正室安宮照子はこの巻で・・一応の決着はつくが、何せ歴史上、頼方は八代将軍吉宗なのだから。やはり今後の行方が見逃せない。2017/08/14