内容説明
「竜の涙」を飲んだことがありますか?都会の片隅で今夜もそっとカウンターに置かれる一皿、一杯。迷子になったり傷ついたり、意固地になったり独りぼっちになった彼女たちの心に、そっと染みるふうわりとしたお出汁の香。ヒット作『ふたたびの虹』で人々を癒した女将の包丁の音が、ことこと今宵もまな板で鳴って、ばんざい屋の夜が始まる…人気シリーズ第二弾。
著者等紹介
柴田よしき[シバタヨシキ]
東京都生まれ。95年に『RIKO―女神の永遠』で第一五回横溝正史賞を受賞しデビュー。以降、ミステリーを中心に、ホラー、伝奇小説など幅広く活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミカママ
457
丸の内の裏通りにあるという「ばんざい屋」。街開発に乗って、一年後に店の立ち退きを迫られるところから物語は始まる。つくづく運命の神様は、いろんなカーブボールを投げてくるね。前作に比べてミステリー度は薄まれど、グルメ度は5割増し。立ち退きの期限が迫り、女将の出した結論は?独身時代に毎日通ったあの辺、すこしは土地勘があるのも嬉しかった。2019/11/22
射手座の天使あきちゃん
189
「わん」、「魚民」、「土間土間」、「山内農場」、「甘太郎」恥ずかしながら私が頻繁に利用する居酒屋チェーン店です。 <(^_^; そんな私でも一人でふらりと通えそうな気さくでお財布に優しい店「ばんざい屋」 女将の控えめな笑顔に迎えられ、先ずは枝豆に冷えたビール、そしてぬる燗に「ブリ大根」いいですねぇ! 唯一の欠点はお店のお客様が頻繁に事件に巻き込まれること まぁミステリーだから当たり前か(笑) メインディッシュと思わず晩酌のお供にぐらいの気持ちでお読みくださいませ(笑)。2015/09/27
じいじ
99
面白かった『ふたたびの虹』の続編。心のこもった美味しく味わい深い料理ご馳走さまでした。とても気持ちの良い読み心地でした。舞台のばんざい屋のビルが、丸の内の再開発で取り壊されることに…。綺麗で聞き上手な女将は惑います。これを機に店をたたむかどうか、を。―柴田氏の描く「ばんざい屋」を訪れるお客さんたちの悲喜こもごもを、もっともっと読みたいです。今作のエンディングで、新天地での新装開店の匂いを感じました。次作を期待しています。2019/07/22
dr2006
88
ばんざい屋第二弾。東京丸の内、女将が作ったなんだか懐かしい大皿のお惣菜を肴にカウンター越しの会話で癒されるばんざい屋の物語だ。今回は大手広告代理店に勤める女性たちがお客さんだ。忙しさとは別の気持ち的な行き詰まりにそっと寄り添う女将の会話は、読んでいて凄く心に沁みた。(上を目指すのではなく奥を目指すことにした。評価されることに拘っていれば評価は低くなりがち。)テナントビル取り壊しにより、最後に閉店のお知らせがあったが、移転後のおばんざい屋ののれんをくぐりたい(笑)日本酒が呑みたくなる稀少な作品。2019/02/24
みち
59
「ふたたびの虹」が良かったので続編も読んでみた。ますます「ばんざい屋」に行きたくなった。閉店するのがとても残念。またどこかの街でお店を再開して、新しい物語を綴ってほしいなと思った。きょうは季節はずれだけど大根を煮てみようかな。2014/08/29