内容説明
「なぜ、こんな城が!」五万余の軍勢を率いる石田三成は、蓮沼に浮かぶ小城を前に歯がみした。天正十八年(一五九〇)、太閤秀吉が関東の雄・小田原北条家に怒涛のごとく襲いかかった。百を超す支城が次々と陥落する中、なぜか三成が攻略する武蔵・忍城だけが落ちないのだ。足軽・百姓合わせてたった三千人弱の兵力にもかかわらず…。戦国史上類を見ない大攻防戦。
著者等紹介
風野真知雄[カゼノマチオ]
1951年、福島県生まれ。93年『黒牛と妖怪』で、第十七回歴史文学賞を受賞し、作家デビュー。97年『西郷盗撮』を発表、斬新な発想と手法で注目を集める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
takaC
91
『のぼうの城』を読む前に読むのが良い。2017/10/01
七色一味
64
読破。歴史上の人物や事件を、誇張を感じさせない筆力で現した良作です。『のぼうの城』がエンタメ主眼なのとは対象的でもありますね。こちらの方が、三成と長親が等身大の人間に思えて好きかも。お菊は、なんの考えがあって、城代に長親を指名したのかな。変わると信じていたのか、それとも…? 悪意をもって解釈すると、長親に貧乏籤を引かせた、とも取れなくもないよなー。2013/01/30
いいほんさがそ@蔵書の再整理中【0.00%完了】
61
読友さんご紹介本*時代小説*『なぜ、こんな城がッ!』大軍勢を率いる石田三成は、蓮沼に浮かぶ小城を前に歯がみした。太閤秀吉の天下統一を目前にしながらも、なぜかこの城だけが落ちない。5万VS3千!戦国史上類を見ない大攻防戦がついに明らかになる!?――映画『のぼうの城』でお馴染み、成田長親の武州、忍城攻防戦。読友さんに教えて頂いた本書ですが、いやぁ、堪能しました! ⇒続き2013/10/07
ゆみねこ
60
「のぼうの城」で超有名になった、武州忍城の水攻め。こちらは同じ戦をテーマにした風野さんのもので、こちらも良かったです。この方の本は文章が読みやすく、歴史が苦手な人でも読みやすくて好きです。成田長親、石田三成を比較対照して読み進めることも出来て楽しい読書になりました。2014/07/27
キャプテン
58
★★★★☆_「きゃぷ衛門とゆく時の旅フェア」【西暦1590年安土桃山時代─忍城攻め編】覇権を推し進める秀吉殿は、ついに関東の覇者、北条家の征伐へ。秀吉殿の懐刀、石田三成殿の五万の部隊が相対するのは、たった三千人がこもる小さな城、忍城。取り柄のない男、成田長親殿を筆頭に、忍城の者たちの、何ともゆるく、しかし力強い籠城戦は見てて気持ちが良かったでござる。あるようにあるために戦い、なるようになることを是とし、できることを泥臭くやることが、こんなにも格好のよい姿であることを、後世の人たちは忘れてはいないだろうか。2017/11/21