内容説明
つながりがわかれば、こんなに面白い!「文脈力」で読みとく日本の歴史。
目次
プロローグ いまこそ、日本史を学びなおす
第1章 「廃藩置県」と明治維新―なぜ前代未聞の大革命が成功したのか
第2章 「万葉仮名」と日本語―和洋中の粋を集めて発展した「世界言語」
第3章 「大化の改新」と藤原氏―ナンバー2が支配する日本統治の始まり
第4章 「仏教伝来」と日本人の精神―「ゆるさ」が可能にした神道との融合と禅の進化
第5章 「三世一身の法」とバブル崩壊―日本の土地所有制度はどこから始まったか
第6章 「鎖国」とクールジャパン―「日本的」なるものを煮つめた二〇〇年
第7章 「殖産興業」と日本的資本主義―なぜ日本は資本主義競争に勝ち残れたのか
第8章 「占領」と戦後日本―採点!GHQの占領政策
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ykmmr (^_^)
142
文章を『自己流』も含めて、まとめる事が上手い、齋藤さんの歴史書第一段。時代の流れに乗せて、9篇位に分け、摂関政治・鎖国・天皇制などの、妙に「日本独特」と言えるものの、『齋藤流』解釈。土地の公私の繰り返しも、歴史の流れと同じ。鎖国が、日本人らしさを醸し出し(これ、凄く同意)→それがアキバ文化に繋がっているという解釈。正直、意外に中々考えつかない…。浮世絵から春画→日本人のセックス…。の話にもびっくりしたが…。齋藤流の曲解もあるし、漠然としていても、やはり博学なのよ。この人。2022/10/28
月讀命
56
三世一身法は何故か日本史音痴でも知っている法律だ。それまでは国が、全国の土地の全てを所有しており、民は国から借り受けた口分田で農耕して税金を払っていた。(班田収授法) それを、開墾した土地の私有を認めるなんて法律つくったから、土地所有が発生し、将来大地主が生まれちゃった。こんな法律作らなきゃ、土地神話も生まれず、バブルも弾けず、貧富の差も生まれず、ジニ係数なんて論うこともなかった。今日の格差社会を生んだ発端は、723年 三世一身法と743年 墾田永年私財法の発布だ。だれだ、こんな法律作ったのは?2012/03/15
紅香@新刊購入まで積読消化あと5冊⭐︎
48
とても分かりやすい!私の中ではぶつ切り小間切れ肉のような歴史。斉藤先生の文脈の糸で日本の輪郭がようやくほんの少し浮かび上がったような気がする。。印象的だったのは言葉と仏教そしてもう二度とこんな特殊な環境にならないであろう鎖国!220年間、他国の影響もなく内へ内へとぐつぐつ煮込んで出来上がった江戸の文化。面白そう♪とても惹かれる。今いる場所と過去はこんなにも地続きで近い。そして当たり前のものなんて何にひとつない。先人たちの努力にそのセンスに驚き、感謝したくなると同時にもっと知りたいと思った、この国のこと。2015/01/29
南
19
日本の良いところが発見できる一冊。歴史を学ぶ一歩になると思います。 齋藤先生の諭吉さん熱も健在。『権利』は『権理』にして欲しい理由、納得です。2017/09/03
明智紫苑
16
日本社会の強み(悪く言えば「怖さ」)とは、女性的な柔らかさやしたたかさなんだな。そこが難しい。欧米でフェミニズムが生まれたのは、女性に対する抑圧が「母系社会」を基本とする我が国よりもはるかに「ストレート」だったからだろう。2015/09/02