目次
プロローグ 「イギョラ(勝て)」と「負けるな」の違い―対立を避けようとする日本人
第1章 原理原則を持たない日本人―自然信仰と日本人の理念
第2章 謎に満ちた“日本美”の秘密―日本人は“見立て”の天才
第3章 「和の国・日本」の素顔に迫る―なぜ、日本では“人並み平等”が理想とされるのか
終章 「受け身文化」の日本人―“自然”の力に対する崇敬の念が、日本をつくった
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
James Hayashi
28
焼き物に限らず、生け花や寺院の配置など、韓国だけでなく世界のほとんどの国で左右対称の美、シンメトリーが好まれていると思うが、日本人は正三角形など自然界に存在せず不自然さを感じると言い切る事に同意。また花でなく蕾を愛でる感性。ステンレスの食器を好む韓国人と異なり、汚れ欠けなど「わびさび」を重視する日本人。韓国には受け身形の語法はないという点にすべて凝縮されているように感じた。2019/02/05
mari
5
呉さんの本はホント読みやすいし、分かりやすい。鎮静(ワサビ)と興奮(唐辛子)を日本と韓国になぞらえて比較。勉強になります。2012/11/02
出世八五郎
4
山葵と唐辛子は相容れず混ぜて食う人もいない。それを例として比較した本。
isao_key
4
本書は日韓の文化観の違いを論じながら、日本人、日本についての考え方の根底にあるものを探る意欲作である。たいへん優れた比較文化論であるのに、なぜあまり話題となっていないかが不思議だ。船曳建夫『「日本人論」再考』にも本書の記載がない。随所で鋭い指摘が見受けられる。例えば、日本語に受身形が多いのは、他者との対立を避けようとする気持ちがある。または日本では自分が置かれている環境をできるだけ自然なものとして肯定的に受け入れようとする気持ちが強いなど。原書は1997年の出版だが、その指摘は今もって全く色褪せていない。2012/12/28
Kumi Sato
2
私が理解しようとしてないお隣の国のこと。文化の違いって難しい。絶対的な正しさは文化にはないと思うから。 でも………って気にはなったけどね、ちょっと。2014/07/20