内容説明
江戸時代二六五年間に、数多の事件が江戸のさまざまな場所で起こっている。有名な「忠臣蔵」のもとになった元禄赤穂事件、大老井伊直弼が水戸藩士に討たれた桜田門外の変、八百屋お七の放火事件、落語や歌舞伎でも知られる高田馬場の決闘など…。本書は、これらの事件のあらましと、その事件が現在のどの場所で起きたのかをわかりやすく解説。また、時代小説や時代劇の舞台となった現場、剣客の道場、江戸の著名人の住まいにもスポットを当てた。今立っている場所は、過去にどんな事件の舞台だったのか。歴史散歩の楽しみが深まること請け合いだ。
目次
第1章 江戸の事件現場(慶安の変;明暦の大火 ほか)
第2章 時代小説や時代劇の現場(吉原遊廓;玄冶店 ほか)
第3章 剣客たちの道場はどこにあった(柳生宗矩;小野忠明 ほか)
第4章 江戸の著名人たちはどこに住んでいた(大久保彦左衛門;春日局 ほか)
著者等紹介
山本博文[ヤマモトヒロフミ]
1957年、岡山県生まれ。東京大学文学部国史学科卒業。文学博士。東京大学史料編纂所・情報学環教授。専門は近世日本政治・外交史。『江戸お留守居役の日記』(講談社学術文庫)で第40回日本エッセイスト・クラブ賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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キムチ27
39
江戸から昭和初期にかけての東京。言わずと知れた国家、ある意味 権力がぶつかり合った交差点。当然、様々な出来事・小説の舞台になっている。私自身 歴子なので?小学生の頃からうろついたの過去在りぃ・・少しばかりは知っているが、こう列記されると改めてたまげる☆暇な時ならうろつくのも楽しいけれど・・と一人ごち。筆者は大学教授という事もあってか 大学の教養の歴史の授業みたい。あれっという箇所でぽっきり遮断された場面もあり、思わず落丁?なんていう箇所も。暇つぶしの車中にはうってつけ。2017/10/14
みや
25
江戸時代に起きた事件の詳細と場所、時代小説の舞台、剣客の道場、江戸の著名人の住まいなどを現在の地図で紹介する歴史ガイドブック。散歩本は大好きなのに、東京の地理に疎いため、いまいちイメージが掴めない。だが、初めて聞く人物・事件が多々紹介されていて面白かった。明暦の大火では脱獄と勘違いして赤坂見附の門を封鎖したことが焼死者の数を増やした、江と春日局の対立が本能寺の変から始まっていたなど知らないことが盛り沢山。英国公使館の焼き討ちや塙忠宝の暗殺など伊藤博文のイメージが変わった。いつか江戸の道場巡りをしてみたい。2020/03/05
Kouro-hou
25
現在の東京地図を参照しながら江戸時代の事件現場や名跡を辿る本。歴史の先生の本という事もあって、最初に1/3程かけて由井正雪の乱から彰義隊敗北までを歴史の流れに沿っておさらいしながら、有名事件からローカル物件まで見ていく流れはわかりやすい。その後は吉原や四谷怪談や銭形平次などの小説や映画の舞台をネタ元の史実を解説しながら歩き、新陰流や北辰一刀流、天然理心流等の道場跡をまわり、長谷川平蔵や大村益次郎等の江戸の有名人の自宅拝見で〆る構成。さすがに東京に土地勘がないと辛そうだが、教養の授業の様で軽く読めて楽しい。2017/11/18
Ken
4
街歩きの楽しさを増してくれる一冊だ。井伊直弼が襲撃された「桜田門外の変」や彰義隊の「上野戦争」など江戸の事件現場のいくつかは知っている。でも知らない事件現場の方が圧倒的に多い。また、この本には事件だけでなく、大久保彦左衛門や葛飾北斎、伊能忠敬などの著名人が住んでいた場所も記している他、時代小説や時代劇の現場のことも書いている。2019/03/27
takao
2
ふむ (ヴィジュアル版 江戸城を歩く、江戸の大名屋敷を歩く、江戸の神社・お寺を歩く) 2018/02/15