内容説明
昭和三十年代初め、東京・豊島区椎名町の二階建て木造アパート「トキワ荘」。入居していた手塚治虫を慕う、若く才能のある漫画家たちが次々と引っ越してきて、「トキワ荘」はいつしか少年マンガ揺籃の地となっていった。住人であった漫画家たちが、それぞれの作品で当時の思い出を綴る貴重な記録―待望の復刊。
目次
手塚治虫
藤子不二雄A
寺田ヒロオ
鈴木伸一
赤塚不二夫
水野英子
つのだじろう
永田竹丸
森安なおや
よこたとくお
長谷邦夫
石ノ森章太郎
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
道楽モン
38
トキワ荘の住民だった漫画家たちによる、当時の回想を作品化したアンソロジー。初出は手塚治虫氏の立ち上げた『COM』に1969年から1970年にかけて掲載されたもの。さらに座談会も収録されており、当事者による生の証言として立派な一次資料となっている。トキワ荘に関しては、もう山の様に本が出されていて、各自の回想自体も時代によって変化したり、逝去されたり、話盛られたり、創作されたりと、まさにレジェンドに相応しい消費っぷり。高度経済成長と漫画の文化的地位の確立を両輪に、情熱だけを武器に駆け抜けた青春群像は永遠だ。2024/03/11
akihiko810/アカウント移行中
32
70年に雑誌「COM」に連載された、昭和30年代にトキワ荘で暮らした12人の漫画家が、当時の思い出を漫画にしたもの 印象度A トキワ荘にそれぞれの青春があった、ということがはっきりとわかる作品集。巻末座談会では寺田ヒロオが(たしか当時ほぼ引退状態だったはず)出てて、数少ないながら発言してるが、本当に口数少なくてもう漫画には未練がないんだなーと思わせる。長兄役の寺田が皆に金貸したり生活の世話をしたりと、本当に支柱だったんだな、ということが他参加者からうかがえた2021/10/02
ふろんた
21
トキワ荘で生活した漫画家たちが、その思い出を漫画にして綴る。若手時代を過ごした狭くてぼろいアパートだと思っていたが、当時はそれなりに快適な環境だったのか。みんな寺田ヒロオに頼りすぎだぞ。2015/05/09
HIRO1970
20
⭐️⭐️⭐️図書館本。2015/04/04
スプリント
18
トキワ荘があった地域はなじみ深いので当時の風景が描かれていると懐かしさを感じます。収録されているマンガおよび座談会は今から40年以上も前のものです。頼れる兄貴分寺田ヒロオさんや異端児森安なおやさんの晩年を考えるとこの頃の和気あいあいとした雰囲気がとても貴重なものに感じます。2015/05/16