内容説明
脱原発でも、継続でも先送りは許されない重い課題。１０万年先まで、絶対安全に格納せよ！はたして、解決法はあるのか？―。
目次
第１章 フィンランドの壮大な実験
第２章 放射性廃棄物とは何か
第３章 放射性廃棄物の地層処分とは何か
第４章 日本は、どうするつもりなのか
第５章 放射性廃棄物に関する世界の情勢
第６章 放射性廃棄物と人類の未来
著者等紹介
楠戸伊緒里［クスドイオリ］
１９６８年生まれ。東京理科大学理学部第一部化学科卒業。同大大学院理学研究科化学専攻修士課程修了。動力炉・核燃料開発事業団（現・日本原子力研究開発機構）研究員として、地層処分する際に高レベル放射性廃棄物を封じ込める金属容器、地層処分の自然類似現象に関する研究開発を担当。その後、東京理科大学工学部第二部建築学科に再入学し、２０１１年３月に卒業（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬弐仟縁
40
１００ミリシーベルトは、妊婦にとって胎児に悪影響が出るボーダーライン。奇形が起こり、最悪死亡するから（４８頁）。大量摂取で健康被害は放射性ヨウ素、放射性セシウム、放射能ストロンチウム、プルトニウム（５０頁）。クリアランス：放射性廃棄物として規制されるものを規制から除外する考え方。クリアランスレベル：放射性物質として扱うかどうか判断するための放射能レベルの基準（５３頁）。2016/12/25
ヤギ郎
5
原子力発電所から”負の遺産”である放射性廃棄物が生み出される。その処理の研究の最前線にいる著者から放射性廃棄物の処理の現在について詳しくまとめている。2011年に緊急上映されたドキュメンタリー映画『10万年後の安全』で放射性廃棄物の処理の難しさに対する理解が深まっただろう。世界各国で行われている地層処分について、技術的な問題や法制度的な問題について解説している。原発についてさまざまな立場があり、政治的な側面があるのは間違いない。放射性廃棄物をどのように扱われていくのか今後も見ていきたい。良書。2022/06/08
coolflat
3
「高レベル放射性廃棄物を、保存や管理が難しい液体の状態で長期間貯蔵管理することは危険なのではないか」「ハンフォードの廃液漏れ事故では、管理責任者が廃液漏れに6週間も気づかなかったことが大規模汚染に繋がった。長期間、放射性廃棄物の安全性を確保し続ける観点から、人間を信頼しすぎてはいけないのではないか」そこで出てきたアイデアが地層中に放射性廃棄物を格納するのというものだ。つまり人間は信頼できないから自然に守ってもらうおうという発想が地層処分だ。3、5章は必読。特に5章は各国の最終処分についての詳しい表記あり。2013/10/31
コモヒ
1
本の面白さとは関係なく、読み進めるにつれ、うんざりした気持ちになる。タイトルに偽りなし。世界中で誰も答え出せてへんねんで。やのに、未来の人が解決してくれるはずさテヘペロってな具合で見切り発進もええとこ。１０万年とかアホか。著者にも個人的な考え方はあるやろうけど、そこは抑えて、事実だけを淡々と書いてるのもとてもいい。最後の最後、分解して行く技術に、ちょっとだけ光がある感じの書き方で終わったのがちょっとだけ希望があるけど、それも希望的観測よな。2015/08/23
タイ口ホ
1
最終的にはやっぱり政治的な駆け引きが決めてになるんじゃないかなあと（言うと怒られそうだけど）。残念なような気もするし期待が持てるような気もするし。2014/08/31
