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祥伝社新書
上杉茂憲―沖縄県令になった最後の米沢藩主

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  • サイズ 新書判/ページ数 224p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784396112486
  • NDC分類 289.1
  • Cコード C0221

内容説明

戊辰戦争で奥羽越列藩同盟の盟主として名を馳せた米沢藩の最後の藩主・上杉茂憲は、僻遠の地・沖縄の県令を命じられる。日清両属だった沖縄は琉球王国時代の古い制度・慣習がそのまま残り、人々は貧窮の底に喘いでいた。茂憲は持てる力のすべてを投じて全県をくまなく回り、実態を調査。何度も窮状を訴える上申書を政府に提出する。また、優秀な青年を留学生として本土に送り、沖縄に近代化の種を蒔いた。今日、沖縄で敬愛される数少ない本土人の一人、上杉茂憲の知られざる生涯に迫る。

目次

第1章 取り残された沖縄―「琉球処分」に揺れる、日清両属の王国
第2章 上杉県令、沖縄へ―官軍に抗した米沢藩主を待ち受けていたもの
第3章 沖縄全土をくまなく歩く―「沖縄本島巡回日誌」の世界
第4章 立ちはだかる「旧慣温存」―新政府は、なぜ琉球の旧制度を容認したのか
第5章 中央政府に上申書を提出―政府要人に伝わった、沖縄の現実
第6章 志半ばでの解任―上杉茂憲が沖縄に蒔いた種
終章 沖縄に灯した、小さな火

著者等紹介

童門冬二[ドウモンフユジ]
1927年、東京都生まれ。長く都庁に勤め、広報室長、企画調整局長などを歴任。後に作家活動に専念する。在職中の経験を踏まえ、組織と人間の関わりを歴史の中に見出してゆく手法で数多くの小説、評論を手がけてきた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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kawa

34
米沢藩最後の藩主・上杉茂憲(もちのり)は、明治14年2代沖縄県令(知事)に就任。士族である地方役人の怠慢、恣意的税徴収で私腹を肥やす姿を目の当たりにした彼は鷹山流の改革に乗り出すが、清国との関係や旧薩摩藩の政策に配慮する政府の「旧慣温存」策と対立し、早晩その職を解かれてしまう。明治直後の沖縄の状況や維新戦当時の東北列藩の様子が、新知見も含め童門流の解りやすい文章で説かれる。彼の人材育成方針により留学した謝花昇、太田朝敷氏らが後の沖縄の礎となり、米沢には大正年間沖縄県民有志により顕彰碑が立てられたと言う。2024/03/19

maito/まいと

12
この人を取り上げるのも、この人を後世に伝えるのも、童門さんしかいない。正に、童門さんが引きつけた1冊。米沢藩主にして、上杉の家名を継ぐ者・茂憲が、沖縄のために奮闘した業績を後世に伝える、まさに本が成さねばならない使命を背負ったものになった。中央政府と戦いながら、教育を充実させることによって、住民によるボトムアップ効果を期待したり、他者を思いやれる精神を育成したり、と真摯に向き合う姿は、まさに上杉鷹山を思い起こす。忘れちゃいけない内容だ。2014/12/17

TM

1
琉球の窮状を訴え続ける上杉茂憲だったがしかし、全くそれに構うことができない明治政府。自分の財布から多額の寄付を行ったり、貧困にあえいで子供に学校に通わせることのできない家庭も多い中、なんとか教育だけはとその門徒を開いたり、本土に留学させたりもして、「人を育てる」ことに熱心だった茂憲の姿は、童門冬二のヒット作「上杉鷹山」の思想に深く傾倒しております。挫折はするんだが、その熱意に沖縄の人は感謝を忘れてはいけないと思う。2014/02/07

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