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祥伝社新書
現代語で読む「江戸怪談」傑作選

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  • サイズ 新書判/ページ数 220p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784396111236
  • NDC分類 913.5
  • Cコード C0291

内容説明

かつて、夏の夜には怪談が付き物だった。怨霊の襲撃を堪え忍ぶ「耳なし芳一」の挿し絵や、おどろおどろしい声色で一枚、二枚と数えあげる「番町皿屋敷」の一節を知らない人はないだろう。古きよき日本の幽霊ばなしの定番である。話の原型はすでに江戸時代からあった。『諸国百物語』『伽婢子』『因果物語』といったタイトルの怪異小説集が多く世に出た。これらに収録された作品をまとめた「江戸怪談」という。「江戸怪談」を読めば、日本人が何を怖れてきたのかがよくわかる。ただ異形の怪物で驚かせるのではない。人間の心の奥底に潜む情念やその業の深さに、戦慄させられるのである。

目次

第1章 怖ろしきは女の「嫉姑」(屍の背に乗る男;妻と愛人 ほか)
第2章 連鎖する不幸―名家の崩壊と荒屋敷の謎(最期の一念;桶狭間の合戦秘話 ほか)
第3章 悲哀に満ちた物語―夫と妻、母と子そして恋人たち(おしどり夫婦;女人蛇体 ほか)
第4章 人が「異界」と接するとき(平家怨霊と琵琶法師;箱根の地獄 ほか)
第5章 因果応報―悪事が身に祟る(屍に宿った悪業;湖上の逃亡者 ほか)

著者等紹介

堤邦彦[ツツミクニヒコ]
1953年、東京生まれ。京都精華大学人文学部教授。慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程修了、文学博士。専攻は近世国文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

がらくたどん

56
立て続けに生首抱えて旅する噺を読んでいて、それっぽい話が出ていた本を持っていたような?見つけたので再読。江戸の怪談・奇談の現代語訳を33編、五つのパターンに分けて解説もつけたライトな教養書。ここで紹介された「生首同伴旅」は若い修行僧が恋仲となった娘の生首を持って旅する話だった。添えぬ仲ならせめて首だけでも・・。未練か悲恋か情念か。他にも嫉妬・不幸の連鎖・異界への恐れ・因果応報と畏れながらも避けられない人生の落とし穴と不思議を物語に仕立てることで身内に収め乗り越えて生きようとした近世のしたたかさが伝わる。2023/02/22

テツ

21
江戸期の怪談をまとめた一冊。傾向ごとになんとなく区分けはされているけれど祟りにいたる流れの基本は『因果応報』 自らの犯した罪には必ず報いがある。なんかね。そう信じていた時代。そうした報いを畏れるきもちがあった時代って、(結局のところ超越者によっての罰など現実には為されなかったとしても)上手くやりさえすれば罪が裁かれないことも多々あるとこどもでも識っている今よりも色々な意味でバランスが取れている気がするな。勿論小難しいことを抜きにしても収録されているお話はみんな面白かったです。冬の夜の怪談も良いもの。2018/01/16

あっきー

6
✴3 手っ取り早く有名どころを知ることができた、中国怪談と比べ一言で言うと江戸怪談は湿っぽい、っていう印象だ2016/10/08

takao

4
ふむ2024/03/10

紅独歩

4
なかなか情けない事だと思うのだが、我々のほとんどは150年前の母国語が読めない。江戸時代の人が笑い、怖がったお話を前にして「アリオリハベリ……」などと呪文をとなえるしかないのだ。ありがたい事に、本書は傑作怪談の数々が「邦訳」してある。さらに判りやすい解説までついている。「愛」という概念がプラスに捉えられるのはごく最近のことで、かつては人を惑わせるマイナスのものであった、という指摘は目からウロコだ。2012/07/28

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