内容説明
定年になって時間ができた。これまでの自分のことや社会のことなどを書いてみたい。そう考える人が増えている。けれどそれは簡単なことだろうか。いざ書き出してみると、難しい作業なのだとわかるでしょう。何かを書くためには技術がいる。本書は、書くための環境、心構え、ちょっとしたコツが詰まっている、執筆のための奥義書です。書くことを趣味とする生活は、人生の悦びを教えてくれ、充実した後半生を約束してくれます。書く生活は、ただ余生を送る生活とは違います。ハードな作業であり、常に緊張を強いられます。だからこそ、何かを書き上げたときの喜びは大きく、自分自身の力強い支えになるのです。
目次
序章 書くことの悦び
第1章 定年後には、読む・書くが似合う
第2章 定年後に、充実した人生を迎えるために、書いてみよう
第3章 定年から書く方法
第4章 活字になってはじめて書く楽しみを堪能できる
第5章 著書のある人生をめざす喜びと自尊
著者等紹介
鷲田小彌太[ワシダコヤタ]
1942年、札幌市生まれ。大阪大学文学部卒業。札幌大学教授として哲学・倫理学を教える。評論活動のほか、哲学書・人生書・時代小説評論などの執筆を精力的に行ない、啓蒙的著作の数々は世代を問わず強い支持を受けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAKAPO
30
その本は「今日は掘出物は無いと帰りかけたBookoffの新書コーナーにあった。『まず「書いてみる」生活―「読書」だけではもったいない』は、1年間、ある切欠から小説ばかり読んできた私にとって、とても魅惑的なタイトルだった。カテゴリーは、趣味・実用なのだろうが、内容は、哲学者でもある鷲田小彌太さんの、文筆家としての成長譚でもあり大河ドラマでもある。と言っていいほど小説的な感動に溢れた物語りであった。私は、良い書物とは、読者である私に勇気や希望を与えてくれるものと思っているが、まさにそのような内容であった。2014/08/22
文章で飯を食う
19
書くこと、それ自体が楽しいのだ。できれば、著書を出すようにすれば良い。ある程度の材料が揃ったら、とりあえず書き始めよう。まず、三分法で目次を作り、目次を地図と定めて小文を書いて行けば良い。その時、期限なり分量なりの終点を決めて置かないと、何時までも終わらない。完璧を目指してはいけない。ほとんどの本は宿題を残す物なのだ。書き始めようかな。コンピューターを買いに行こう。2016/06/04
謙信公
14
定年後を念頭に置いているが、今読んでおいて正解。人間は様々な形で「偉業」を後世に残そうとする。「歴史」とは「記録」であり、書かれて初めて存在が確認される。書くことは過去の発見や記憶の喚起であり、未来の発見や想像の喚起でもある。読むことの数十倍の労力と時間が必要だが、毎日3~4枚を書き続ければ、その積み重ねが書物になり、活字になって書く楽しみを堪能できる。自身の拙いレポートが掲載された雑誌ですら心躍ったことが懐かしい。ただ、わずか255文字をまとめるのに1時間以上も費やしているようではまだまだ修行が必要だ。2020/11/10
雨巫女。@新潮部
13
書いてみたい、作家になりたいと学生時代思っていた時期もありましたが。本を読めば読むほど、実力のなさを実感。読書家のみで、頑張ります。2010/12/28
ぴーたろー
8
読書だけではもったいない、という副題に引かれましたが、定年後を念頭において書いてありました。2016/07/09