内容説明
JR西日本脱線事故、過去の教訓を忘れた雪印や日本航空…。大きな事故や大事件の陰には、ほんのささいなミスが潜んでいる。小さなミスの見逃し、先送り、ベテランならではの慣れからくる慢心、コスト削減一本槍で安全の手抜き、成果主義のみに陥った組織の崩壊。いま、あらゆる分野で綻びが生じている。近年、「失敗学」という言葉が普及しつつある。これまでの失敗学は、技術工学の分野で研究が進められてきたが、いまは文科系の世界にもその必要性が問われている。本書は、マネジメントの分野に着目して、組織の中で人はなぜミスを犯すのかを分析し、リスク管理の教訓を探ろうとするものである。「これは、ちょっとまずい!」豊富な実例集である。
目次
第1章 人はなぜ、ミスを犯すのか(ヒューマン・エラーの背景に在るもの―エラーを誘発する職場環境;熟練者の落とし穴―ベテランだからこそ事故を起こす ほか)
第2章 危機意識の不在(危機感の麻痺―「今そこにある危機」が見えない;安全対策の磨耗―些細な違反も積もれば山となる ほか)
第3章 行き過ぎた効率化(コスト削減のしわ寄せ―いつも犠牲にされるのは安全性;成果主義の病理―性急な成果主義の導入が組織を蝕む ほか)
第4章 緊急時への備え(非現実的なシミュレーション―何のためのシミュレーションか;初動措置の重要性―対応の遅れが破局を招く ほか)
第5章 リスク管理の要諦(撤退判断の難しさ―リスク管理に「もったいない」は禁物;監視機構の実効性―お目付役は大丈夫? ほか)
著者等紹介
樋口晴彦[ヒグチハルヒコ]
1961年、広島県生まれ。東京大学経済学部卒業後、国家公務員上級職に採用。愛知県警察本部警備部長、四国管区警察局主席監察官のほか、外務省情報調査局、内閣官房内閣安全保障室に出向。現在、警察大学校警察政策研究センター主任教授として、危機管理分野を担当。組織学会、警察政策学会、失敗学会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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B.J.
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