出版社内容情報
手塚治虫が遺した傑作マンガから、戦後日本人の肖像を読み解く。
手塚マンガが焙り出す戦後60年の日本と日本人。『鉄腕アトム』から『ブラック・ジャック』まで――画期的論考の完成!
内容説明
手塚治虫のデビューは昭和二十一年一月。それは敗戦によってリセットされたこの国がゼロから再スタートを切った直後のことだった。以来四十余年、戦後日本の変化・発展と寄り添うように十万枚ものマンガを描きあげて逝った巨星。著者はその作品群を「アイデンティティの喪失」と「自分探し」という視点からあらためて分析する。そこには「作家」=「主人公」=「世相・社会」の相関関係が鮮やかに浮かびあがってきた。(この本の目的は「マンガ学」的に手塚マンガの研究をすることではない。あくまでも、手塚マンガをテキストとしながら、手塚を含めた戦後の日本人を考えることにある)。第一級の研究家による画期的論考の完成。
目次
第1部 戦後復興期編(『鉄腕アトム』と『メトロポリス(大都会)』―リセットされた日本人
『地底国の怪人』と『ジャングル大帝』―幼い理想と現実のはざ間 ほか)
第2部 高度成長期編(『フィルムは生きている』―オサムとムサシの見果てぬ夢;『0マン』と『魔神ガロン』と『W3(ワンダースリー)』―われらを裁くのは誰か ほか)
第3部 昭和元禄編(『人間ども集まれ!』―傍観者でいることの罪;『地球を呑む』と『人間昆虫記』―この世はフェイクの時代 ほか)
第4部 幻想大国編(『きりひと讃歌』と『アポロの歌』―受難の日々と真実の自己;『ブッダ』と『ブラック・ジャック』―求道者たちの苦悩 ほか)
エピローグ 手塚治虫の不在
著者等紹介
中野晴行[ナカノハルユキ]
1954年生まれ。和歌山大学経済学部卒業。会社員生活を経て大阪で編集プロダクションを設立、以後フリー編集者兼ライターとして活躍し、97年に事務所を東京へ移転。企画・執筆分野はマンガ、落語、音楽、野球と多岐にわたり、2004年刊行の『マンガ産業論』は、画期的なマンガ研究書として高い評価を得た
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感想・レビュー
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i-miya
みい⇔みさまる@この世の悪であれ
ats
たくのみ
pianomans