内容説明
池辺陽は、戦後モダニズムの精神を最も純粋なかたちで生き抜いた建築家である。本書はその評伝であるが、同時に池辺という座標軸によって測定したわが国戦後モダニズム建築の歴史だといってもよい。池辺の再評価を通して、われわれが「過去から受け渡された状況」とは何かを問い直し、そこに潜在する現代的な「可能性の中心」を見据えようとする。
目次
今なぜ池辺陽なのか
記念性と「日本的なるもの」
NAUと立体最小限住居
『すまい』と伝統論争
GMモデュールとケーススタディ・ハウス
アートとデザイン
DNIASとKSC計画
設計方法とユニット・デザイン
住宅実験法とテクノロジーアセスメント
『デザインの鍵』と住むための機械
生きられたシステム論
池辺問題=美学・技術・近代性
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tetekoguma
1
少し前に池辺陽さんの『デザインの鍵』を読み、デザインについての深い知恵に触れ、池辺さんのことをもっと知りたいと思い読んでみました。難波さんは実は池辺研究の出身なのですが、指導教官である池辺さんとは少し距離があったようで、それが難波さんの博識と合わせていい感じの池辺陽論になっています。1920年代生まれという世代、学部生の頃には文学や美学も勉強し建築のアートの要素に引かれていたようですがその後は建築のデザインや機能性に焦点を当てた仕事をしたこと(ここらへんは同世代の篠原一男と対照的とのこと)などが・・・2022/11/10
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