内容説明
先進的な住宅供給者の鋭い生活観察は、２１世紀の都市居住の姿を予見し始めている。かつて、家族たちは、都市の暗い環境や非人間的な人工のイメージから逃走し続けて太陽と緑の自然のある郊外居住を選好してきたが、今やその集積した都市施設・アメニティを享受する積極性を表現し始めている。今、時代は、土地問題をはじめ様々な受難を迎えてはいるが、同時に都市住宅づくりに大いなる可能性を開こうとしている。この本は、ハウジングルネサンスの真ん中に入りこんで情報を集め、新しい住宅供給の位置付け、将来展望を試み、その基本的戦略としての企画の実態をケーススタディしたものである。
目次
１ 発想―都市居住の再発見が生進型都市住居を生み出す（都市居住のイメージがゆっくり始まる；都市内居住へ；古い住宅供給論の敗北；先進的な住宅計画の方法；新都市型集合住宅はどこに向かうのか）
２ 実践（ソフト化するエリートたちのワークスタイル；都市カルチュアを動かす新職業人たち；進む国際都市化；不滅の土地神話と住テク；外部サービス依存の本格的生活スタイル；団塊の世代の悩みと選択；残された高齢者は踏みとどまれるか；施策住宅として「街づくり」を推進；建替えを通じて都市更新の担い手に；地域環境改善の試み）
３ 展望（再編成を迎える住まいのイメージ；都市型住宅のための新しいライフスタイル論；都市のダイナミクスからみた都市住宅；高容積化・精緻化・高付加価値化へ向かう住宅供給；都市型住宅の性能論）
