出版社内容情報
小津映画の日本家屋。エヴァンゲリオンの要塞都市。宮崎アニメの城。ありえない空間から立ち上がるリアルに迫る鵜の目鷹の目映像考。
内容説明
すぐれた映像クリエイターたちはみな、「建築家」だ!ありえない空間から立ちあがるリアルとは。建築の本質にせまる、野心的な映像メディア考。
目次
序 いかに建築と映像をつなぐか
第1部 舞台と美術(建築家としての小津安二郎;どこにも存在しない、「懐かしい」空間―種田陽平論1 ほか)
第2部 空間と風景(他者のランドスケープ―リドリー・スコット論;不在の中心としてのローラパーマー―『ツイン・ピークス』 ほか)
第3部 架空の都市(カステロフィリアとしての宮崎駿;『イノセンス』が創造した極限都市―押井守論1 ほか)
第4部 建築家と映像(建築界が嫌悪した映画―『摩天楼』;ジャック・タチのウルトラ・モダン建築 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夏紀
5
先月途中まで読んだ、、、気がする。あまり内容は覚えていないんだけど、私には難しくてでも少し面白いとも感じられた気がする。全然覚えてない。また借りてこよう。2019/09/01
鯨、或は山田
2
映画における建築というか、映画における建築を含んだ都市論とか大道具、のような印象。また、逆に「建築における映画(性)」はちょっと見て取ることができなかった。刺が無くて読みやすかったが、しばらくすると忘れてしまいそう。押井論なんかは非常に面白かったが、建築の話をしてたかどうかは覚えていない。2014/10/12
ひろただでござる
1
現在のCGで創られる「建築」はどうなんだろう…ましてブルーやグレーの背景の前で演ずる俳優たちはどう感じてるんだろう…と思った。エイゼンシュタインの時代だとズームやパンもできないどころか音さえもない事からくる(純粋)な視覚芸術としての映画という価値を持つ(多分)のに対して消費前提の昨今の映画とでは比べるべくもないと思う。小津安二郎は他で語り尽くされている感があるけど押井守論は結構面白かった。建築に関しては現代に近づくほど「スゲェ~!」とは思うけど「いいなぁ…」とは思えない、が落水亭は別。まぁライトやけど。2020/10/19
quabex
1
「序」で「いかに建築と映像をつなぐか」が述べられる。しかし、エイゼンシュタインは、父が建築家で自らも土木工学専門学校に入学したとあるのを読んで(p.281)、「なんだ、とっくにつながっていたんだ」と思った。取り上げられるのは古今東西の映画。『メトロポリス』も『ヱヴァンゲリヲン』も出てくる。映画と建築とを結びつけることに意表を突かれた感じはない。でもこの本で映画の中の建築に向ける多様な視線を知ったことで、映画を観る楽しみが増えたような。絶賛公開中の韓国映画『パラサイト』も建築という切り口で観ることができる。2020/01/16
tkm66
1
かの俊英を持ってしても「映像美術」の芯には届かないのか、と。