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身体感覚で「芭蕉」を読みなおす。―『おくのほそ道』謎解きの旅

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  • サイズ B6判/ページ数 300p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784393436400
  • NDC分類 915.5
  • Cコード C0095

出版社内容情報

謎解きの旅へようこそ! 「歌枕」の秘密と異界を呼ぶ「術語」から俳句の世界が見えてくる。誰もが知っている古典を徹底ガイド!

内容説明

『おくのほそ道』を読むときには、本文中に隠されている暗号のような「術語(コード)」を解読しながら読み進まなければならない。芭蕉は『おくのほそ道』を意図的に未完成にした…秘められた「歌枕」と「能」の風景から俳句の世界が見えてくる。日本人なら誰もが知っている古典をわかりやすく徹底ガイド。

目次

第1章 そぞろ神が旅路へと誘う―歌枕を巡る「能」の旅
第2章 謎を解く「ワキ」―芭蕉はなぜ「コスプレ」をしたのか
第3章 死出の旅―現実との別れ、異界との出会い
第4章 中有の旅―「時間」が「空間」になる旅
第5章 再生の旅―「旅心」定まり異界に遊ぶ
第6章 鎮魂の旅―夢の跡に重なる物語

著者等紹介

安田登[ヤスダノボル]
能楽師(下掛宝生流:ワキ方)、Rolf Institute公認ロルファー。朝日カルチャーセンター(新宿・横浜)講師、日本と東アジアの未来を考える委員会企画委員。能楽師として、東京を中心に舞台を勤めるほか、年に数度の海外公演も行ない、また国内外の学校(小学校から大学院)や市民講座、さまざまな学会などで能や、能の身体技法をテーマとしたワークショップを開いている。能のメソッドを使った朗読・群読の公演や指導も行なう。東江寺(渋谷区広尾)で月に二度ほど、論語と謡曲を中心とした寺子屋「遊學塾」を開催(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

残心

2
「おくのほそ道」は万人向けではなく少数読者だけに向けて書かれた本らしい。また、「和歌を詠む人は源氏を読まなければだめだし、俳諧をする人は『謡』を稽古しなければダメ」らしい。この本によると、「おくのほそ道」の旅は源義経を鎮魂するという大義があったようだ。能楽師である著者が「能」を通して見た解釈を展開していて、とても新感覚だった。しかし当時の文化を考慮すると、「能」を通した見方が現在よりも一般的だっただろうからまったく的外れでもないだろう。源義経の鎮魂、「能」との関係などの要素を含んで原文を読む必要ありかも。2016/03/06

Funky-TakaOyaji

1
ワキ方下掛宝生流能楽師の安田登が、若者達と実際に歩きながら「おくのほそ道」を追体験、芭蕉の心を探る。まづ芭蕉の旅装だが、僧形である。これは芭蕉が崇徳院の怨霊を鎮魂した西行の姿をなぞったからであり、又それは能のワキ方の姿、つまり諸国一見の僧の姿でもある。だが芭蕉がコスプレした西行は「西行物語」や能「遊行柳」に描かれたフィクションの西行。そして歌枕を巡るその道中では至る所で「遊行柳」「邯鄲」「楊貴妃」などの能(謡曲)をなぞっていく。目に見える景色に物語が二層三層と重なっていく。それが「おくのほそ道」の世界だ。2022/08/27

yukioninaite

1
「謡」が俳句の源氏だったのですねぇ。ワキが「境界に生きる人」欠落した人、無用の人、芭蕉その人につながるのですねえ。「旅人と我が名呼ばれむはしつぐれ」が謡の梅枝につながること、芭蕉が西行につながること・・・面白い本でした。2015/01/12

良さん

1
古典は知れば知るほど、不思議なことが出てくると思った。奥の細道のミステリアスな部分を自分でも歩いて実感してみたいと思った。 【心に残った言葉】見えないものを見る、そのことこそが日本の文学を理解するもっとも大事なことなのです。(198頁)義経の没年は1189年。すなわち『おくのほそ道』の旅(1689年)は、源義経の五百年忌に行われたのです。(288頁)2012/12/10

読書依存症

1
先達の研究者の言説をヒントに奥の細道を、能楽師である著者の「能」という視点と自ら追体験し歩いてたどった身体感覚をとおして読み解く。 古歌の洪水である歌枕。西行による崇徳院鎮魂の旅。 西行に憧れた芭蕉は能のワキ僧として義経鎮魂の旅に出る。「能」は漂泊の旅人(ワキ)が神霊(シテ)と出会いその鎮魂をするというのが基本構造。ワキは、悲しみを引き受けて自分も悲しむ「共苦」の人。それによって鎮魂は可能になる。・・・といった話で、「奥の細道」にこれまでと違った新しい世界が開ける。 白川の関での古歌の三層構造の世界の話も2012/02/13

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