現代教養文庫<br> 水子の譜(うた)―ドキュメント引揚孤児と女たち

現代教養文庫
水子の譜(うた)―ドキュメント引揚孤児と女たち

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  • サイズ 文庫判/ページ数 239p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784390114691
  • NDC分類 369.37
  • Cコード C0193

内容説明

敗戦直後、博多港には中国・朝鮮半島からの引揚者が続々上陸した。なかに、親を失いちいさな身ひとつで戦争被害を引受けざるをえなかった子どもたちや、混乱のきわみにあった現地で暴行を受けて妊娠し、帰っていくことのできない女たちがいた。TVドキュメンタリーで「歴史とは何か」を映像化し続けてきた著者が、行き場のない子どもたちや女たちの救援に立ち上がった、戦後日本のボランティア活動の先駆をなす人々の苦闘と、切り捨てられてきた庶民の歴史的事実を掘り起こした、衝撃のノンフィクション。

目次

第1部 聖福寮の孤児たち(混血の戦争遺児;引揚者医療孤児施設「聖福寮」の誕生;三十一年目の再会;聖福寮の保母たち;聖福寮の日日;「聖福寮」から「聖福子供寮」へ;その後の孤児たち―三人の戦後を追って)
第2部 水子のうた(堕胎病院―二日市保養所;桜の木の下に眠る子ら;引揚者婦人健康相談所)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

0717

5
終戦時、大陸で両親と死別し、絶望と栄養失調に苛まれながらその多くが命を落とす中、命からがら博多港にたどり着いた孤児達がいた。また引揚中、度重なる暴行を受け妊娠し、帰るに帰れない女性達がいた。前半「聖福寮の孤児たち」では身寄りの無い大陸孤児達と保育にあたる人々の記録。後半の「水子のうた」では暴行により妊娠した引揚女性達を救済する二日市療養所の話。著者の「中国侵略」の文言、「南京虐殺」話は辟易だが、埋もれた戦後史の一部分を掘り起こした良書。2012/06/15

くーぱー

3
第二次世界大戦に関して、日本は加害者であったことの反省を常に求められ、被害者でもあったことがあまりに軽んじられてきたように思う。終戦後引き上げ時に苦難にあった人々について書かれたこの本は、もっと多くの日本人に読まれるべきだ。2013/08/22

カナッパ、ユイッパ

1
(★4.2) 本書をどう読むべきか、「日本人の民間人に対して兵士による犯罪があったことに着目する。」「戦争の悲惨さを民間人に押し付けた日本政府の犯罪に着目する。」様々なとらえ方があると思いますが、自分は「民間の有志が敗戦という絶望的な状況で同胞の残った命を救うために尽力した。その高貴な精神を、強い意志を」読み取るべきだと思いました。 この高貴な精神を持つ人を一人でも多く育てる意識の欠如が、今を不幸にしているのかもしれません。2021/08/07

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