内容説明
「ミツビシ」―それは日本における最大にして最強の企業集団として、日本経済を動かしている。経済だけでなく、政治、社会、文化にいたる、ほとんどあらゆる分野に強大な影響力を及ぼしており、さらに日本だけでなく世界経済に対しても強い影響力を持っている。この三菱を解剖することはそのまま日本資本主義を解剖していくことにもなる。
目次
第1部 三菱の構造(日本における三菱;企業集団としての結合;系列支配の上に;大企業との競争と協調;資本家と経営者;財閥から企業集団へ)
第2部 三菱の機能(重化学工業化への道;金融機関の役割;集団内取引と総合商社;外国資本との関係;海外進出;新しい路線を求めて)
第3部 三菱の思想(「国家とともに」;軍事化路線;財界における三菱;三菱の思想)
感想・レビュー
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nobody
9
多数の三菱企業のトップの名前が出てくるが、なべて無味無臭である。人間くささとか個性とかが全くない。それでいてそれぞれの役務に過不足のない商才を皆“一様に”備えていたのだろう。この感じは、神一行『閨閥』で連綿たる政略結婚の系図を見た時と同じだ。粛々と閨閥に殉じて結婚していく。個性なんかあっちゃそんなことできない。だから二号・妾を囲うのはシステム的必然なのだろう。そしてこの完全なまでの人間味のなさこそ奥村のいう法人資本主義の本質なのだ。だがそれにしても、旧財閥系の者は財界団体のトップにしないとか、社長は退任後2022/04/21
syam
0
たまたま古本屋で見て購入。いかんせん30年前の本なので大分データは古いですが、三菱グループの履歴を知るという意味では面白かった。2013/02/13