出版社内容情報
太田 哲男[オオタ テツオ]
著・文・その他
内容説明
ドイツ系ユダヤ人として成長し、ハイデガーやヤスパースに学んだハンナ・アーレントは、ナチス政権成立とともにドイツを離れ、無国籍者となり、抑留キャンプに放り込まれながらも辛うじて脱出、アメリカに渡って英語を習得、『全体主義の起源』を発表するに至った。彼女はこの作品で自分たちを絶滅の淵に追いやった全体主義とは一体何だったかを普遍的な形で表現しようとした。その後彼女は、公民権運動やベトナム反戦の時代の米国で、一方では「自由」「討論」「公共性」をキーワードに政治のあり方を、他方では大衆社会や消費者社会のあり方を描いた。彼女の立ち向かったところは、二十世紀とは、「現代」とは何かの考察であった。
目次
1 ハンナ・アーレントの生涯―前半生を中心に(少女時代;学生時代;ナチスの台頭;ドイツを脱出 無国籍ユダヤ人となる;アメリカへの移住とアウシュヴィッツの衝撃)
2 『全体主義の起源』(『全体主義の起源』の執筆;「第一部 反ユダヤ主義」;「第二部 帝国主義」;「第三部 全体主義」;第三部の成立をめぐって)
3 その後の諸著作(『人間の条件』;『イェルサレムのアイヒマン』;『革命について』;『カント政治哲学の講義』と『精神の生活』)
著者等紹介
太田哲男[オオタテツオ]
1949(昭和24)年、静岡県に生まれる。東京教育大学大学院文学研究科博士課程(倫理学専攻)中退。博士(学術)。現在、桜美林大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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