Century Books 人と思想 180
ハンナ=アーレント

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  • サイズ B6判/ページ数 258p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784389411800
  • NDC分類 289.3
  • Cコード C1310

内容説明

ドイツ系ユダヤ人として成長し、ハイデガーやヤスパースに学んだハンナ・アーレントは、ナチス政権成立とともにドイツを離れ、無国籍者となり、抑留キャンプに放り込まれながらも辛うじて脱出、アメリカに渡って英語を習得、『全体主義の起源』を発表するに至った。彼女はこの作品で自分たちを絶滅の淵に追いやった全体主義とは一体何だったかを普遍的な形で表現しようとした。その後彼女は、公民権運動やベトナム反戦の時代の米国で、一方では「自由」「討論」「公共性」をキーワードに政治のあり方を、他方では大衆社会や消費者社会のあり方を描いた。彼女の立ち向かったところは、二十世紀とは、「現代」とは何かの考察であった。

目次

1 ハンナ=アーレントの生涯―前半生を中心に(少女時代;学生時代;ナチスの台頭;ドイツを脱出―無国籍ユダヤ人となる;アメリカへの移住とアウシュヴィッツの衝撃)
2 『全体主義の起源』(『全体主義の起源』の執筆;「第一部反ユダヤ主義」;「第二部帝国主義」;第三部の成立をめぐって)
3 その後の諸著作(『人間の条件』;『イェルサレムのアイヒマン』;『革命について』;『カント政治哲学の講義』と『精神の生活』)

著者等紹介

太田哲男[オオタテツオ]
1949(昭和24)年静岡県に生まれる。東京教育大学大学院博士課程(倫理学専攻)中退。現在、富山国際大学教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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hakootoko

6
『起源』と『アイヒマン』とアメリカ。近現代史の結晶のような人。ケーニヒスベルクで育った彼女に伴走した哲学者たちは、カント、アウグスティヌスとアクィナス、プラトンとアリストテレス、最早殆ど敵のマルクスとスミス、目の敵のベンサム、ベンヤミンとハイデガーとヤスパース。スコトゥス、ハイデガー/ニーチェ。そして、終いにはカント。アーレントは第一批判を16歳で読んだ。地元の有名人の本が『純粋理性批判』なの想像できんな。『世界の共同主観的存在構造』と思えばいいか。でも、16歳では読まないというか、読まないよな。2020/09/25

ぽんくまそ

4
日本が全体主義国家へ向かっているいま、「全体主義の起源」をダイジェストで読むために借りた。全体主義は大衆を支配するのではなく、無用にするという指摘は、いまの日本と同じだ。その大衆のうちモッブ(落ちこぼれ)がヘイトスピーチの主体となるところまでもが。2014/08/06

こばまゆ

3
用語が難しく、読解を諦めた・・一番、易しそうな本を選んだのに、これでダメなら、ハンナアーレント系は、読めそうにない。残念。もっと、わかりやすい本ないかな。。2016/12/22

yakumomutsuki

2
川崎修『アレント』でもそうなのだが、「モッブ」の説明がよくわからない。階級脱落者、という人々が全体主義の運動に関わる、たとえばアイヒマンもその一例である、というような流れではあるが、その心理的な動機の考察が見えなかった。読者である私自身の読解力のなさに起因するものだし、アドルノ的にはアレント本人を読め、と言われるだろう。ただ、本書は全体として、アレントの思想にスポットを当てているので、どのような動機で著作を創作していったのか、その思想的営みの歴史が丁寧に説明されている点では好感が持てる。2012/02/12

えむ

1
アーレントの生涯と『全体主義の起源』を中心にその著作を紹介。取り上げる内容の取捨選択がはっきりしており、アーレントの思想への一つのアプローチとして意味を感じた。2016/10/25

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