内容説明
本書は、世界の有名な大思想家の生涯とその思想を、当時の社会的背景にふれながら、立体的に解明した思想の入門書です。第1編の生涯編で、思想家の生涯を交友関係や、エピソードなどにもふれて、興味深く克明に記述、第2編では、その主要著書を選択して、概説とその中心となる思想を、わかりやすく紹介してあります。
目次
1 メルロ・ポンティの生涯(最後の「良き時代」;「人民戦線」の時代;「抵抗運動」の時代;「レ・タン・モデルヌ」の時代;「レクスプレス」の時代)
2 メルロ・ポンティの思想(『行動の構造』;『知覚の現象学』;歴史と身体;言語と身体;絵画と身体;『見えるものと見えないもの』)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
田蛙澄
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なんとなく身体性という事が気になりだして、身体性と言えばメルロ=ポンティだろうと思い読んだ。上空飛行的な思考の批判とパースペクティヴな視点、ゲシュタルト的な世界解釈と言語による分節化、その世界の切り取りに身体が対応し連動していくこと、セザンヌについてなどいろいろとヒントになることが多い善い本だった。ただ概説書なせいか隔靴掻痒の感はある。思想のところより彼の生涯の方に引き込まれた。2015/10/02
アレ
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ドゥルーズ以前のドゥルーズ的存在というイメージ2010/07/12
Mercy
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倫理学者によるメルロ=ポンティの評伝である(92)。シリーズ通り生涯と思想の二部にわかれており、年譜と参考文献が理解に資する。同時代のフランス語圏とドイツ語圏の哲学、科学、絵画、文学、人類学、精神分析、言語学を貪欲に摂取した彼の解説にあたり、伝記はその全体性と連関性をつかむのにごく適した形式だ。恋人の父親に興信をされて私生児である旨が告げられて、別れた恋人が病棟で狂死する。戦時中にフッサールの草稿を自宅で保存した。いずれも目を引く逸話である。ただ、彼の哲学自体はつまらないとおもった。2020/09/30