内容説明
地方や郊外に乱立するショッピングモールは、これまで地元商店街の敵であり、コミュニティ荒廃の象徴とされてきた。しかし、果たしてそうだろうか?実際は、小さな子どものいる家族や高齢者にも優しい公共空間としての役割を担っている。それは日本だけではない。世界の都市部でも、政治や文化や宗教や階層が異なっても、誰もが同質のサービスを受けられるショッピングモールが、理想の街の姿とされる。差異と格差が進む今こそ、均一であることの価値を見直すべきではないか。ショッピングモールを出発点に、変貌する人間の欲望と社会の見取り図を描く。
目次
第1章 なぜショッピングモールなのか?(新しいコミュニティ、新しい開放性、新しい普遍性;モールこそがローカル ほか)
第2章 内と外が逆転した新たなユートピア(モールの本質は内装である;首都高でワープする ほか)
第3章 バックヤード・テーマパーク・未来都市(とにかくデカいディズニーワールド;あらゆるものがディズニーになる ほか)
付章 庭・オアシス・ユートピア(部材としての植物;ショッピングモール・聖書起源説 ほか)
著者等紹介
東浩紀[アズマヒロキ]
1971年東京都生まれ。作家、思想家。ゲンロン代表取締役。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。93年「ソルジェニーツィン試論」で批評家としてデビュー。99年『存在論的、郵便的』(新潮社)で第二十一回サントリー学芸賞、2010年『クォンタム・ファミリーズ』(河出文庫)で第二十三回三島由紀夫賞を受賞
大山顕[オオヤマケン]
1972年埼玉県生まれ。フォトグラファー、ライター。千葉大学工学部修士課程修了。松下電器産業(現・パナソニック)シンクタンク部門に十年間勤務後、独立してフリーに。「工場萌え」「土木萌え」などの火付け役として知られる。土木構造物の撮影を中心に、イベント・ツアー企画なども行う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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