幻冬舎新書
ショッピングモールから考える―ユートピア・バックヤード・未来都市

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 新書判/ページ数 269p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784344984042
  • NDC分類 673.8
  • Cコード C0295

内容説明

地方や郊外に乱立するショッピングモールは、これまで地元商店街の敵であり、コミュニティ荒廃の象徴とされてきた。しかし、果たしてそうだろうか?実際は、小さな子どものいる家族や高齢者にも優しい公共空間としての役割を担っている。それは日本だけではない。世界の都市部でも、政治や文化や宗教や階層が異なっても、誰もが同質のサービスを受けられるショッピングモールが、理想の街の姿とされる。差異と格差が進む今こそ、均一であることの価値を見直すべきではないか。ショッピングモールを出発点に、変貌する人間の欲望と社会の見取り図を描く。

目次

第1章 なぜショッピングモールなのか?(新しいコミュニティ、新しい開放性、新しい普遍性;モールこそがローカル ほか)
第2章 内と外が逆転した新たなユートピア(モールの本質は内装である;首都高でワープする ほか)
第3章 バックヤード・テーマパーク・未来都市(とにかくデカいディズニーワールド;あらゆるものがディズニーになる ほか)
付章 庭・オアシス・ユートピア(部材としての植物;ショッピングモール・聖書起源説 ほか)

著者等紹介

東浩紀[アズマヒロキ]
1971年東京都生まれ。作家、思想家。ゲンロン代表取締役。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。93年「ソルジェニーツィン試論」で批評家としてデビュー。99年『存在論的、郵便的』(新潮社)で第二十一回サントリー学芸賞、2010年『クォンタム・ファミリーズ』(河出文庫)で第二十三回三島由紀夫賞を受賞

大山顕[オオヤマケン]
1972年埼玉県生まれ。フォトグラファー、ライター。千葉大学工学部修士課程修了。松下電器産業(現・パナソニック)シンクタンク部門に十年間勤務後、独立してフリーに。「工場萌え」「土木萌え」などの火付け役として知られる。土木構造物の撮影を中心に、イベント・ツアー企画なども行う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 3件/全3件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

きみたけ

67
著者はゲンロン代表取締役の東浩紀氏とフォトグラファー、ライターの大山顕氏。筆者が運営するイベントスペース「ゲンロンカフェ」で行われた対談および座談会を収録しまとめた本。ショッピングモールは子どものいる家族や高齢者に優しい公共空間としての役割を担っているが、世界の都市部でも誰もが同質のサービスを受けられるショッピングモールが理想の街の姿とされています。ショッピングモールの構造は世界的にも似ていて、トイレの位置だけでなく、本屋や食料品店までが何となく分かってしまう。これが人類が求める快適空間なのだろうか?2021/11/11

おかむら

36
思想家と写真家がショッピングモールについて語る対談集。モールがそんなに楽しいのかなあと思って読んでみた。楽しさわからず。たぶん子どもとか孫とかキャッキャする層と一緒に行かないと楽しさわかんないのかも。わたし的には疲れてベンチで待ってるおじさんの気分。三浦展派だな私。ただ海外のモール(のフードコート)は楽しそう。2016/03/28

ネジ

34
★★★★★ 著者らがショッピングモールに感じる捉え難いわくわく を様々な文化の文脈から哲学する試み。単に歴史を追うのではなく、独創的な観点が対談形式で縁起される様が刺激的だった。知性によれば、身近なものに奥行きある文明論を展開し、未来や理想に思いを馳せることができることに感動した。 ①世界中のモールの配置は酷似している。これは人間の動物的な感覚を再現した結果である。 ②砂漠下においてモールはオアシス的であり、植物園や水の配置はその文脈が想起される。 ③モールは無意識のままユートピアを創る実験をしている。2024/01/10

ちさと

32
全く異なった言語や宗教、政治体制を持つ様々な国の人々が、買い物の実践ではみな同じように「ショッピングモール」でZARAを購入する。これは人類にとっては大きな可能性ではないかということで、哲学者と写真家がショッピングモールについて印象論で放談する本です。この本のおもしろいところは、全くの実証も検証もなく好き放題会話して、そこから出てくる挑発的な提案に自分達で驚いているところ。「文系の知はもっと自由であるべきだ」。わくわくが原動力になって生まれる発想は楽しい。2018/10/19

ころこ

30
団塊世代までは都市に問題が詰め込まれていて、都市と里山に風景をみました。他方、団塊ジュニア世代ふたりは、都市と里山の間に人工物のある郊外の光景に着目します。東は、まじめな市民ではなく不真面目な消費者の軽薄さが、ショッピングモールの中の新たな公共性の可能性だと、後に『観光客の哲学』の主題となる論点を提示します。ローカルな文脈に引き寄せられがちですが、彼らの関心は世界のモールに引き寄せられています。しかも、日本がみるだけの対象としての従来の欧米ではなく、バンコクやドバイなど日本がみられる対象でありその視線が露2018/09/03

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/10243365
  • ご注意事項