内容説明
「発達障害」と診断されるケースが急増している。子どもだけでなく、大人もだ。児童のADHDの有病率は六%に達し、学習障害は一〇%に及ぶ。なぜ猛烈な勢いで増えているのか。一方で「発達障害」と診断されながら、実際は「愛着障害」であるケースが数多く見過ごされている。根本的な手当てがなされないため、症状をこじらせるケースも少なくない。「発達障害」と似て非なる「愛着障害」とは、いったい何なのか?本当に必要な対処とは?「発達障害」は現在、大きな岐路にある。その急増が意味する真のメッセージを明らかにする、衝撃と希望の書。
目次
第1章 「発達障害」急増の謎に迫る
第2章 「発達障害」にひそむ愛着障害
第3章 愛着スタイルは「第二の遺伝子」
第4章 生物学的メカニズムからわかること
第5章 「発達障害」は社会を映し出す
第6章 「障害」と「才能」は背中合わせ
第7章 非定型発達の子を伸ばすコツ
第8章 安定した愛着こそ子どもを伸ばす
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よむよむ
40
確かに幼児期の愛情は最重要要素ですが、育てる親の精神年齢が下がり続けている今、保護者支援も同じように考えていきたいです。“愛着障害”についてはよくわかりましたが、なんとも言えない違和感を感じるのはなぜかしら。“愛着”という言い方も不満。う~ん、上手く言えないけど。『子どもは、適度な不足状態にあるほうが、意欲を持ちやすい。』2013/03/02
魚京童!
31
愛着障害なんだって!母親の愛情が足りていません。でもまー都市化すればしょうがないし、そんなヒトがどうやって新しい社会を形成していくかを論じてほしかった。現状を嘆いていてもしょうがないし、後戻りはできないのだから、進むべき道を示すのが新書ではないのでしょうか?2014/04/26
カッパ
24
愛着障害についての記載が多い著者の作品である。愛着は第2の遺伝子であるともいえるのか。そうか。2018/10/02
JUN
18
幼少期の親との接し方、両親からの愛情、生活環境などが子供に対して非常に大きな影響を与えるということを再認識した。2023/01/13
カッパ
16
やはり再読だったか。 なんとなく読んだことがある気がしてた。発達障害も愛着障害も症状が同じなら含まれてしまうのだろう。発達障害と名づけることでせっかくの目をつぶしてしまうのはもったいない。また、遺伝が原因ということで接し方を変えたらかわる愛着障害が対策されないのは悲しい。 しかし、そこまで対応してない気がして母としては反省。これからはもうちょっとべったりしようかな。2019/12/11