内容説明
20年で540兆円―日本人が「失われた20年」でパチンコに費やしたカネは、2011年度の国家予算(92兆円)の約6倍、名目GDP(479兆円)を凌駕する。問題はカネだけではない。多くの人々の労働・消費意欲を奪い、また精神疾患であるパチンコ依存症者の数は450万を超える。ものの30分で1万円以上を失うパチンコが、カネと人間性を奪ってきた。なぜ韓国にはできた「パチンコ全廃」が日本ではできないのか。依存症の実態とそれを誘発するメーカー、蜜に群がる利権政治家、警察、マスコミの現状を徹底糾弾。
目次
第1章 パチンコで堕ちゆく日本(「失われた20年」で540兆円が消えた;なぜ私はかくもパチンコの廃止を訴えるのか ほか)
第2章 パチンコ依存症はれっきとした病気である(ギャンブル依存症はWHOも認める精神疾患;人は孤独からパチンコを始める ほか)
第3章 パチンコ依存症を生み出す社会構造(依存症を誘発する5つの要素;テレビ、映画で禁じられるサブリミナル効果がパチンコの特許に ほか)
第4章 パチンコと闘う人々(パチンコ店主から依存症者支援団体へ;辛そうな客を見たくない ほか)
第5章 パチンコはマスコミ最大のタブーである(なぜマスコミはパチンコの実態を伝え、批判しないのか;問題は「パチンコが好きか、嫌いか」ではない ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おさむ
34
題名の通りパチンコを徹底的に批判する本。警察の天下りで有る点、3店方式によって実質的な換金が可能になっている点、病院の依存症対策が遅れている点、政治家やマスコミが批判しない点などを、パチンコ擁護の社会構造と指摘する。マカオのカジノの実に10倍を超える20兆円の売上高を持つパチンコ産業というのはたしかに大きすぎますね。でも、最近はスマホゲームの方が、よりのめり込みやすく、依存症の恐れが高いのではなかろうか?2018/10/24
kinkin
24
建前は娯楽や遊戯とされているものの、実態は依存者を大量に増やしている世界一のギャンブルに他ならない。背後には広告主として批判を避けるマスコミと警察OBとの癒着があることは明白。暇つぶしの遊びが、今や本書に書かれているような酷い状況にあることを知り、驚いた。2014/03/08
ラッキー55
10
読了。南氏のFB書き込みで知り読んでみた。 パチンコ依存症は本人のみならず、家族も不幸 のどん底に突き落とすとてつもない悪である事 が分かる。世界一のカジノであるマカオの年間 売り上げが1兆8千億円に対してパチンコはその 10倍の18兆円だというのだ。韓国ではパチンコ 全廃が出来たのに、日本でできないのは政治家 や警察、マスコミの利権が絡んでいるという。 依存症は自己責任かもしれないが、将来の日本 を考えれば、どうにかしないと行けない問題で ある。最後にやめられない仕組みは特許である 事にも驚いた。2017/02/24
0607xxx
7
パチンコがもたらす負の問題を的確に指摘し、現状についても詳しく書かれていました。東日本大震災時のパチンコ業界の対応に憤りを感じ、前作も以前読みましたが、まだまだ多くの問題が残り国の現状に嫌気がさします。一人一人がこういった問題を知っておいた方が良いように思いました。2013/06/06
ハル
4
パチンコは日本でも法律で禁止すべき。この本を読んでなるべくたくさんの人にそう思ってほしいと思いました。2017/05/25