内容説明
東日本大震災で、日本列島は一瞬にして5メートルも東へ移動した。なぜ大地は動き、火山は噴火するのか。そのエネルギーの根源は地球の中心部にある。地下6400キロにある「核」は、6000℃もの高温だが、地表の気温は平均15℃しかない。地球は、このすさまじい温度差を解消しようとして、表層部と核の間の「マントル」内でたえず物質をグルグル回し、マグマを作って、熱を地表に運んでいる。その結果、大陸を支えるプレートが動き、その継ぎ目(沈み込み帯)で地震が起きるのだ。世界が認める地質学の第一人者が解き明かす、地球科学の最前線。
目次
第1章 地球内部の構造とプレートテクトニクス
第2章 46億年前に誕生した原始地球
第3章 火山列島と沈み込み帯の密接な関係
第4章 火山列島はどうしてできるか?
第5章 海で生まれる大陸
第6章 地球は自らリサイクルしている
第7章 地球における炭素と水の大循環
著者等紹介
巽好幸[タツミヨシユキ]
1954年、大阪府生まれ。理学博士。専門はマグマ学。独立行政法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)地球内部ダイナミクス発展研究プログラムディレクター。78年、京都大学理学部卒業。83年、東京大学大学院理学系研究科(地質学)博士課程修了。京都大学総合人間学部教授、同大学大学院理学研究科教授、東京大学海洋研究所教授を経て、現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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mitei
33
地球の中心は謎に包まれてるんだなってことが分かった。それと日本沈没が理論的にありえなく、映画の考証でとりあえずの理屈を作ったとか。とにかく日本沈没しなくてよかった。2011/08/30
ちゃんぐ
6
原始地球から現在の陸地ができるまでを門外漢にも分かりやすく軽やかに説く。太陽系のチリが集まったり衝突したりして熱くてドロドロのチョコレートのような原始地球に惑星がぶつかって地軸が傾いて散らばった破片が月になって回転が安定して重い元素が沈んで内核になって手のひらにスカイツリーが40個の圧力で液体の鉄が固体化して表面が冷えて地殻ができてそこから漏れ出た軽いマグマがプレートになってプカプカ浮いて雨が大陸を侵食してCaやMgが海に流れ込んで大気中のCO2が海に溶け込んで炭酸化合物となり温室効果がなくなって氷河期。2022/02/15
禿童子
6
【マグマ書房推薦図書】。地球は上から地殻、上部マントル、下部マントル、外核、内核と分かれているという基本的な説明から始めて、ボーリングできないマントル以下の深部の組成を推定する高温高圧実験が興味深い。マグマができる仕組みと日本の火山列が2つある理由、海洋弧の下で大陸地殻が生まれる仮説など、プレート沈み込みに伴うメカニズムが初心者にも分かりやすく説明されている点が良い。東日本大震災から5年目が近づいているが、数万年~数億年に及ぶ地球内部のダイナミックな営みに想いをはせる機会にご一読をおすすめします。2016/02/19
pocco@灯れ松明の火
5
マグマ学の巽先生のお話が分り易かったので借りた。2015/10/31
文章で飯を食う
4
地球の中心が、こんなダイナミックなことになっていたとは!もっと、すっきりしているかと思っていたが、まるで煮えたぎり沸騰しているかのようだ。それにしても、科学の進歩の早さよ。2013/08/12