幻冬舎新書
文豪はみんな、うつ

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 新書判/ページ数 225p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784344981775
  • NDC分類 910.26
  • Cコード C0295

内容説明

明治から昭和初期、文学史上に残る傑作を数多残した10人の文豪―漱石、有島、芥川、島清、賢治、中也、藤村、太宰、谷崎、川端。彼らのうち、7人が重症の精神疾患に罹患し、2人が「精神病院」に入院、4人が自殺している。才能への不安、女性問題、近親者の死、肉親の精神疾患などに苦しみ続け、苦悩そのものを作品にした。漱石はうつ病による幻覚を幾多のシーンで描写し、藤村は自分の父をモデルに座敷牢に幽閉された主人公を描いた。「芥川は分裂症」などの定説を覆す、精神科医によるスキャンダラスな作家論。

目次

第1章 夏目漱石―一八六七~一九一六(享年四十九歳)
第2章 有島武郎―一八七八~一九二三(享年四十五歳)
第3章 芥川龍之介―一八九二~一九二七(享年三十五歳)
第4章 島田清次郎―一八九九~一九三〇(享年三十歳)
第5章 宮沢賢治―一八九六~一九三三(享年三十七歳)
第6章 中原中也―一九〇七~一九三七(享年三十歳)
第7章 島崎藤村―一八七二~一九四三(享年七十一歳)
第8章 太宰治―一九〇九~一九四八(享年三十九歳)
第9章 谷崎潤一郎―一八八六~一九六五(享年七十九歳)
第10章 川端康成―一八九九~一九七二(享年七十三歳)

著者等紹介

岩波明[イワナミアキラ]
1959年、神奈川県生まれ。東京大学医学部卒業。精神科医、医学博士。昭和大学医学部精神医学教室准教授。都立松沢病院、東大病院精神科などで精神科臨床にたずさわる。主な研究分野は、うつ病の薬物療法、統合失調症の認知機能障害、精神疾患と犯罪など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 1件/全1件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Tsuyoshi

73
夏目、大宰、川端など明治から昭和にかけての文豪と呼ばれる10名の作家を精神科医がうつなど精神疾患を抱えていたという観点から分析した一冊。それぞれの病み具合もさることながら、一種の破滅型的な生き方にも興味をひかれた。2018/03/03

kinkin

71
精神科医の著者が、文豪たちの作品や行動、周囲の証言をもとに彼らの精神状態を解説している。タイトルには「うつ」と入っているが現代でいう「うつ」とは少し違うような気がした。時代背景や文化の違いもあるが、今よりずっとカミングアウトできなかった時代なので、どうしても周囲の見方に偏りもあり昔なら今では絶対使えない気○いという言葉が使われたと思う。いずれにしろ今も昔も物書きという職業にはつきものの病なんだろうなー。2016/02/04

キムチ27

53
子供の頃から気になるテーマなので染み込むように頭に入りやすい事柄ばかり。藤村、賢司、太宰の章が取り分け興味募った。中仙道、遠野、金木町…学生時代、彼らの生きた苦悩?の情景に触れたくて歩いた。藤村の晩年が逼塞した老成の心境だったと初めてしり、もっと悪いイメージがあっただけに、意外。銀河鉄道にイメージされる賢司が痛いほどに心を切り刻むような時間のなかにいたとはいえ…。どこかにあった言葉…こんな病んだ中からの文を健常な人が楽しんでいるのだ~複雑なものですね。朱鷺の流れは。2016/02/13

sat

42
精神科医が書く、明治後半から昭和初期の激動の時代の文豪10名。精神病を患いながら作品を世に残し、長い間読まれていることを感懐深く思う。2017/03/24

ユウユウ

24
気づけば3回目の読了。この本と合わせて実際の文豪の作品読むの楽しいんですよね。今回は『痴人の愛』を読んで以来読みたくなってたので。2019/05/14

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/624596
  • ご注意事項