内容説明
金融危機後、投資ファンドによる大企業の買収が激減し、世界のM&Aは「会社が戦略として他の会社を買う」正常な状態に戻った。そして訪れた急激な円高。身を縮めこの十五年間をしのいできた日本企業に、いま千載一遇のチャンスが巡ってきた。たとえば国内一位だが世界十三位のビール会社キリンは、本業以外の内外事業を次々に買収し、存亡を賭けアジア・大洋州に打って出ている。日本と世界企業の、一見、無謀にも見える行動の裏にある細心かつ周到な戦略を読み解く。
目次
第1章 最近の大型M&A検証その1 食品業界
第2章 最近の大型M&A検証その2 化学業界
第3章 敵対的買収をはねのけて会社を強くする
第4章 投資ファンドはすべてハゲタカか?
第5章 M&Aを善悪で裁くと
第6章 誰のためにM&Aを行うか?
第7章 攻めのM&Aとは?
著者等紹介
津田倫男[ツダミチオ]
企業アドバイザー。(株)フレイムワーク・マネジメント代表。都銀、米銀、欧州銀、米系ハイテクベンチャーのVC日本代表を経て、現職。M&A・戦略的提携に21年、新規事業開発・海外進出助言に8年、ベンチャー・中小企業の総合助言に15年の実績。M&Aほかの助言件数は100を超える。スタンフォード大学経営大学院卒(MBA取得)。青山学院大学国際マネジメント研究科の講師も兼任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Humbaba
5
世界の移り変わっていくスピードが変わったため、一企業だけで対応をしきれないことが多くなってきている。ライバル企業がそうやって規模を増大させているからこそ、自分だけ動かなければ飲み込まれてしまう。それを割けるためには互いにプラスになる相手を見つけて動く必要がある。2016/11/04
Humbaba
1
M&Aとは,企業がお金で時間を買うということでもある.企業は,常に大きくなり続けようとしている.その時に,急に新しい分野に挑戦するのではなく,すでにある企業を買収するというのは,企業としては正しい選択なのかもしれない.2011/03/09
川原 健太郎
0
12-73/22012/11/04
ロバーツ
0
10年ほど前に書かれた本だが、指摘されている状況は変わっていないように思う。まだまだ世界最終戦争は終わっていない。2021/02/08