幻冬舎新書<br> 鬱の力

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幻冬舎新書
鬱の力

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  • サイズ 新書判/ページ数 250p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784344980877
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0295

内容説明

「鬱の気分」が日本を覆っている。「鬱」イコール悪と思われているが、本当にそうだろうか?「鬱」こそ人間の優しさ・内面的豊かさの証であり、治療が必要な「うつ病」とは分けて考えるべきではあるまいか。同じ問題意識を抱いた作家と精神科医が、うつ病の急増、減らない自殺、共同体の崩壊など、日本人が直面する心の問題を徹底的に語りあう。戦後六十年の「躁の時代」を経て、これから迎える一億総ウツ時代に、「鬱」を「明日へのエネルギー」に変える、新しい生き方の提案。

目次

はじめに―時代は「鬱」へ向かう(精神科が特別な場所でなくなった;「ちょっと鬱」くらいが正しい生き方;鬱には生命力が秘められている)
第1部 鬱は「治す」ものなのか(精神医療の現場で起きていること;「なぜ人を殺してはいけないか」と問われたら;「欝な気分」と「うつ病」は違う;いまの医療の常識が揺らいでいる;代替医療の流行が問いかける問題;泣くこと、悲しむことから力をもらう;最後には神を信じるアメリカ社会;神なき人生のよるべなき不安;死刑は被害者遺族の心を癒すか;哲学もまた「悲哀」から生まれる)
第2部 日本社会は劣化したのか(時代の先端に立つ人の心が壊れていく;脳は本当にすべてを支配しているのか;生死に関わることを厭う医師たち;病院をコンビニと同じに考える人たち;見えないアパルトヘイトが進んでいる;逸脱した存在を受け入れる豊かさ;一つの人格だけでは生きていけない;崩壊するコミュニティ、病んでいく心;自殺は単なる「一人の死」ではない;高齢期のメランコリーを乗り越えるために;あらゆるものは変化していく)
第3部 「鬱の思想」を生きる(雪は「美」か、「病んだ自然」か;言葉の力がもたらす奇跡;歴史は熱狂と閉塞を繰り返してきた;性のタブーが破られた果てに;時代が鬱だから明るさを求める;人にはなぜ「あの世」が必要なのか;鬱の悲しみは仏さんの悲しみ;「人生は苦である」という出発点)
おわりに―鬱は力である(文明は鬱のなかで成熟する;自分だけのために生きるのでなく)

著者等紹介

五木寛之[イツキヒロユキ]
1932年福岡県生まれ。PR誌編集者、作詞家、ルポライターなどを経て、66年「さらばモスクワ愚連隊」で小説現代新人賞、67年「蒼ざめた馬を見よ」で直木賞、76年『青春の門筑豊編』ほかで吉川英治文学賞を受賞。英文版『TARIKI』は2001年度「BOOK OF THE YEAR」(スピリチュアル部門)に選ばれた。02年に菊池寛賞、04年に仏教伝道文化賞を受賞

香山リカ[カヤマリカ]
1960年北海道生まれ。東京医科大学卒業。精神科医。立教大学現代心理学部映像身体学科教授。大学在学中より雑誌等に寄稿。91年『リカちゃんコンプレックス』で単行本デビュー。豊富な臨床経験を活かし、現代人の心の問題のほか、政治・社会批評、サブカルチャー批評など幅広いジャンルで活躍する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

佐島楓

56
病院に行って診断書をもらって、「とりあえず休みたい」と思っている人がとても多くなっているのではないだろうか。そこでそのかたの大事な人が「休んでいいんだよ」といってくれればどんなに救われるか。孤軍奮闘しているかたがあまりにも多すぎる。 2016/05/03

kinkin

46
「鬱は力。無気力な人は欝にならない」と五木さんは発言している。すこしくらい欝のほうがいい。なるほどそんな考え方もあるのか。国全体が躁状態だったのが太平洋戦争中や高度経済成長期から現在は鬱の世の中への転換期、また「欝」という言葉の意味は、今まで認識していた意味は第二義で第一義は「草木の茂るさま。物事の盛んなさま」と書いてあったのはなるほど。全体的には香山さんと五木さんの対談で、鬱の力や鬱の思想などもあり考えさせられることも多数。読み手に考える隙を与えてくれると思う。2015/05/08

コージー

37
★★★★☆うつ病や自殺などが急増し、暗いイメージが蔓延した現在。「鬱をどうとらえるべきか」。小説家の五木寛之さんと、精神科医の香山リカさんの「対談形式」。雑誌を読んでいるような感覚で、サクサクと読み進められます。「社会から取り残されている」、そんな疎外感を感じて生きている方にはおススメしたい本です。【印象的な言葉】季節に関係なく、人の生きる道は一定だ。しかし、夏と冬では暮らしかたがちがう。鬱をいやがって、忌むべきものとして排除しようとするかぎり、私たちはつねに見えない影におびえつついきなければならない。2019/04/08

ichi

24
【図書館本】精神科医の香山リカさん、五木寛之さんの対談形式の形で現代の鬱症状・鬱病について語られています。診断基準の変更に伴い、簡単に「うつ病」と診断されるようになったこと。大半は「うつ症状」の現代人。鬱は生きていく上で必要なことです。2015/08/14

ヨクト

15
作家・五木寛之さんと精神科医・香山リカさんの鬱についての対談をまとめた本。近年、社会の流れの中で精神科に行くことに抵抗がなくなりつつありが、その現場での実状や現代の人々を取り巻く環境、海外文化との比較、鬱のこれからなど。鬱は悪いことじゃない。やり場のないエネルギーに戸惑っているだけだ。心がきれいだから、傷つきやすいから鬱になる。鬱な気分とうつ病はちがう。ただ人はうまくいかないことの確かな原因理由としてうつ病というものを欲している面もある。話の延長であった宗教、哲学の話も興味深かった。2013/02/15

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