内容説明
密命を胸に秘めつつ十三代将軍家定に嫁いだ薩摩藩主の養女篤姫、武家の権力に屈して十四代将軍家茂の正室となった皇女和宮。変革期の動乱の最中、生い立ちと立場の違いから対立していた嫁姑が、暗躍する幕末志士の陰で手を取り「徳川」というお家存続のためにたちあがった―。江戸城下での戦いを回避し、無血で倒幕軍に城を明け渡した、武家の女の生きざまとは。江戸城大奥に生きた最後の女性を通じてひもとく、明治維新の裏表。
目次
序章 幕末の日本を救った二人の御台所
第2章 島津家に嫁いだ将軍家の竹姫
第2章 御台所となった島津家の茂姫
第3章 将軍家定が望んだ三度目の夫人
第4章 将軍継嗣をめぐる大奥工作
第5章 皇女和宮の降嫁で対立する大奥
第6章 土壇場で見せた女の底力
終章 明治を生きた天璋院と和宮
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
skunk_c
21
徳川第13代と14代将軍の正室をメインに据え、幕末の動乱に対応する大奥の動きが詳しく書かれていて、この時代の歴史がぐっと立体的に見えてきた。個人的には、薩摩の島津家と徳川将軍家、それに公家の近衛家の関係について系図を含め解説されているのがありがたかった。幕末になぜ外様である島津斉彬、久光があれだけ幕政に関われたのか、そして斉彬の手足であった西郷隆盛が頭角をあらわしたのか、大分すっきりした。史料の扱いとしては例えば勝海舟の自叙伝をそのまま引き写したりと、歴史研究としては不十分だが、本書の役割はそこにはない。2018/05/03
ichi
21
【図書館本】史実を淡々と載せてある感じで楽しんで読む本ではなかったです。幕末期にこの二人の陰での大きな働きで江戸城無戦開城できたのだと知りました。2018/04/13
寝落ち6段
7
2人の思いが、幕末と新時代を駆ける。兎に角、誰が誰と結婚して、養女になってが多くてこんがらがってしまった。しかし、武家の女性としての生き様、決意はぐっとくるものがあった。2019/09/19
lila*
5
【図書館】娘が借りてきたんだけど、思っていたのと違ったようで読まないというので、私が。篤姫と和宮。同じ時代に同じような宿命を背負って生きていた女性。二人の話だけではなく、もっと遡ってそもそも徳川家と島津家の繋がりからが説明されていた。なによりも驚いたのは、どの時代の女性も自分が嫁いだお家のために今だけでなく、何代も先のことまで考えて生きていたということ。望んだ結婚でも、望まれた結婚でもなかった場合でさえ。今とは根本的に価値観が違うとはいえ、彼女たちの生き方に感銘を受けた。2016/05/02
みーすけ
3
今更ながらの篤姫と和宮。2016/01/31