内容説明
市の財政難でグローバル企業・WE社に水資源を牛耳られた北東京市。深刻な水不足によりテロが頻発する中、幼児に謎の病が蔓延する。水道水が原因という噂を聞いたWE社の海原は調査を開始するが、調べていくうちに衝撃的な事実に直面する…。水問題で海外に翻弄される日本の姿を描く衝撃のエンターテインメント。
著者等紹介
江上剛[エガミゴウ]
1954年兵庫県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。旧第一勧銀時代に総会屋事件を収拾し、映画「金融腐蝕列島 呪縛」のモデルとなる。2002年に『非情銀行』で作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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isagawa
5
ううーむ。。。前半は面白かった。近未来、財政難の自治体、水道事業の民間委託、企業論理の利益優先で切り捨てられていく水難民… さすが江上剛、近未来のフィクションでも細かい設定、描写がリアル!! だったのだが、後半はファンタジーに!? そのあたりからちょっと入り込めなくなったな~f(^_^) やはりファンタジーは別ジャンルとして描くスキルがいるんだろうなぁ~と思っちゃいました。 江上剛には、また企業小説を期待しよう! 『我、弁明せず』とかは良かった♪♪2015/03/07
しのはら(か)
3
「水の国」が出てきたときのいやな予感を信じきることができず・・・。そこで損切りすべきでした。時間を返してほしいレベルは久しぶり。2013/05/30
ユウスケ
2
小説としての在り方を途中で見失ったような作品。水道民営化に警鐘を鳴らすところから、どうしてこうなるんだろう、と展開に疑問を持たざるを得ない。確かにこのテーマでは堅くなりがちなので読ませるための展開を、と言うのはわからないでもないんですが、迷走は否めないですね。あと「北東京市」とはどこ?と言うのは関西在住の人間にとっても謎で、ずっとモヤモヤが取れず。埼玉との県境にあるのが推測できても、そこの地域的な特性は結局描かれなかったので、位置を特定できない自治体名でよかったのではと思うところ。
ぷらった
2
水道事業の民営化という恰好の小説題材に惹かれて手にした一冊だったが,「なんでそうなるの???」というシーンが多くて,がっくり。大人が読む本ではない。2018/11/10
じお
2
★☆☆☆☆ 近未来、水不足が問題になった世界を舞台にしたフィクション、からの選ばれた戦士たちの戦いを描くファンタジー作品、なんだこれ。 前半部の近未来パートもチープ感がありますが、中盤から後半にかけてのファンタジーも、酷い。世界観の作り込みの甘さ、描写不足、駆け足、キャラの魅力の欠如、etc…。褒めるところといえば、物語の構成自体は意外性あって面白いかもしれません2014/10/24