内容説明
「わたしは全くオシャレには向いていない。昔から興味がなかった」。なんと24歳で初めてネクタイをしめたという村上龍が、イタリアでスーツにシャツにネクタイ、靴に目覚めた。ミラノ、ローマ、ハバナ、ソウル、上海。飼い猫の冷たい視線も、中田英寿さんのあきれ顔もものともせず、神出鬼没に買い物道を驀進する!思わず噴き出す痛快エッセイ。
目次
イタリアでのお買い物―ミラノ/イタリア
ブルーのシャツ―ミラノ・ローマ/イタリア パリ/フランス
ブルーのシャツ2―ローマ/イタリア
ローマのシャツ屋―ローマ/イタリア
二十五分間で十三枚のシャツ―ミラノ/イタリア
ネクタイとシャツのシミュレーション―ミラノ/イタリア
面倒くさいかそうでないか―パリ/フランス
葉巻のためのいろいろな道具―ミラノ/イタリア
着心地のいい下着―ミラノ/イタリア
唯一無比のTシャツ―ミラノ/イタリア〔ほか〕
著者等紹介
村上龍[ムラカミリュウ]
1952年長崎県生まれ。76年「限りなく透明に近いブルー」で第七五回芥川賞受賞。「コインロッカー・ベイビーズ」で野間文芸新人賞、「半島を出よ」では野間文芸賞、毎日出版文化賞を受賞。『トパーズ』『KYOKO』で映画監督も務めた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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団塊シニア
32
シリーズエッセイにあるような政治、経済、メディア批判とは違い穏やかで軽やかな買い物エッセイです。中田英寿→イタリア→スーツ、ジャケット、パンツのまとめ買いと前半はファッションに関するエッセイがほとんどでほのぼのした感じで読めます。2013/04/30
おくりゆう
18
個人的には服に興味を持ち始めたのも三十路になってから、という意味では買い物に目覚めた後の楽しみや行動には共感するものがあります。 村上龍さんの人となりも伝わり、エッセイとしても軽妙で洒脱。おもしろかったです。2017/09/10
hirokikojima0721
15
村上龍が自身の買い物について趣味嗜好や、これまでの体験、ファッションへの思いをまとめた内容。前半は主に中田英寿との交流を通してヨーロッパでのシャツや靴、置物などの買い物についてをまとめていて、後半はアジアや日本での買い物とそれ以外の国への旅を通して買い物やブランド品について考察を述べている内容。なんだかんだで普通に買い物を楽しんでいらっしゃるご様子。2021/07/11
るむ
6
2003年~2005年頃の、村上龍さんのお買い物エッセイです。サクッと読めるし、色々な国でのお買い物の様子が見られて(知れて?)、楽しかったです。シャツ20枚とか、会計が想像の倍とか、笑いました。この時期は、「半島を出よ」を執筆されていたようですね。あの作品も素晴らしかったです!!これからは「カンブリア宮殿」の衣装に目が行くと思います。2024/04/06
桜もち 太郎
6
お金があるということは素敵なことです。いろいろな所に行き、そこで自分の気に入ったものを買う。おいしいものを食べながら自分の趣味に合わせて世界を渡り歩く。表題には「案外」と付きますが、かなりの「買い物好き」です。特に龍さん、イタリアのシャツに関しては変質的愛情を注いでおいでになります。執念に近いものもうかがえます。重ね重ねお金があるということは素敵なことです、といってますが「羨ましい」の一言です。要はヤッカミです。村上龍の買い物だけを取り上げたエッセイでした。2017/06/23