内容説明
衝撃的な事故シミュレーションを突きつけられた田嶋と〓(とう)は、徹底的な補強工事を決意し、最大の障壁である政府の実力者を失脚させることに成功する。不和を乗り越え、“希望”を手に突き進む二人の夢―世界最大の原発から、北京五輪開会式に光は届くのか?中国の暗部と現実を描き、共に生きる希望を謳い上げる一大傑作エンターテインメント。
著者等紹介
真山仁[マヤマジン]
1962年大阪府生まれ。同志社大学法学部卒業後、中部読売新聞入社。同社を退職後、フリーライターを経て2004年『ハゲタカ』でデビュー、同作はドラマ化、映画化され注目を集める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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KAZOO
125
上巻ではバラバラの主人公たちが下巻では、対立などを乗り越えて目標に向かっていきます。また中国内部の権力闘争もあったりでかなり楽しめます。最後は稼働はするもののやはり事故が起きて、ということで少し結末に不満の残る終わり方でした。2017/07/03
W-G
65
2015年、一番読んだ作家が真山仁で、一番面白かったのがコレ。中国人の描かれ方に唖然。ハゲタカシリーズのレッドゾーンも良かったのですが、ベイジンのインパクトの方が上でした。内容は中国に原発を作る様子をただ追っているだけなのになんでこんなに面白いのか。結末を描かない辺り、真山仁は罪作りな作家だ。
アッシュ姉
65
下巻はさらに緊迫感が増し、読む手が加速した。日本から技術顧問として中国へ赴任した田嶋は、安全面でも世界一の核電を目指そうとし、運開責任者の若き党幹部の学耕と何度も衝突する。価値観や文化、生きてきた環境があまりにも違う二人の思いが交錯する時…。途中何度も胸がいっぱいになった。原発のあり方、中国の社会事情、日中問題など、現代の暗部を抉る社会派作品でありながら、誇りと信念を持って、諦めず困難に立ち向かっていく者たちに、希望を追い求めていくことの大切さに気付かされる。真山氏の魅力が遺憾なく発揮された渾身の力作。2015/01/27
まつうら
47
田嶋と鄧の主人公2人は、最初は対決ムードだったものの何度も困難を共にする中で、互いを理解しあえる存在になっていく。権謀術数が渦巻く中国にあって、この信頼関係はひと筋の光をみるようで勇気づけられる。原発建設はなんとか試運転まではこぎつけたが、本運転を開始した直後に事故が起こってしまう。ほら言わんこっちゃない! というIAEAの声が聞こえてきそうだ。田嶋と鄧はこの事態を収拾できるのか? 上巻の印象ではできるはずもなかったが、最後まで読み終わってみると、この2人の活躍にちょっと希望を感じさせるエンディングだ。2022/09/23
達ちゃん
41
あまりにリアルすぎてちょっと怖くなるほどのストーリーに引き込まれました。ラストが気になるところですが、この終わり方もありかも。「希望」が見えることを祈って・・・。2019/01/03