内容説明
地元組織を守るため山村組を中心として発足した「共政会」。山田久は服役中の二代目会長に代わり、理事長として組織をとりしきっていた。関西二大勢力の代理戦争といわれた第二次広島抗争を終結させるも、共政会は勢力争いによる内部抗争が勃発、山田も刺客に狙われる…。任侠に生きた男たちを描いた実名版長編ドキュメンタリー小説、完結編。
著者等紹介
大下英治[オオシタエイジ]
1944年、広島県生まれ。広島大学文学部卒。大宅マスコミ塾第七期生。週刊文春の特派記者を経て、在職中に「小説電通」を発表し作家デビュー。政財官界から経済、芸能、犯罪まで幅広い分野で創作を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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うたまる
1
「反逆心も心、忠誠心も心」……広島ヤクザの雄として共政会トップに立った山田久の後半生。彼は言う。忠誠心が高い者は決して逆らわない、なんてことはない。それは節操がないからではなく、騙しているわけでもなく、ヤクザだからでもない。人間だから。人間とは本来そういう生き物だから。同様に、人の世に闘争が多いのもそう。ヤクザは抗争を好み、左翼は内ゲバで罵り合い、リーマンやママ友は派閥争いに余念がない。自分の名を知らしめ、勢力を伸長し、優位を誇る。この血沸き肉躍る心の高ぶりこそ生きている証。争うことこそ、生きるってこと。2018/06/19