内容説明
まゆは幼い頃に母を殺された未解決事件にまだ苦しんでいた。アメリカで失踪した悠介の居場所はつかめない。麻生の死期は迫る。真鍋には時間がなかった。そもそも麻生はなぜ無税の相続に拘るのか?そして、まゆが何者かに誘拐された―。人間の欲望と絶望、金と愛情、人生の意味までを、大胆かつ繊細に描ききった新世代の『罪と罰』完結。
著者等紹介
橘玲[タチバナアキラ]
1959年生まれ。作家。早稲田大学卒業。2002年、小説『マネーロンダリング』(幻冬舎文庫)でデビュー。06年、『永遠の旅行者』が第十九回山本周五郎賞候補作となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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まつうら
57
麒一郎はなぜ税を納めないことにこだわったのか? それはかつてのシベリア抑留に対する政府への復讐であり賠償請求だ。家族も家庭も顧みず、たった一人でずっとこんな過酷な戦いをしていたのだ。そんな麒一郎の晩年に、ふとしたことから天使が舞い降りると、麒一郎にとってかけがえのない存在になることにそう時間はかからなかった。恭一と仲間たちも天使の境遇を知り、麒一郎の思いに応えようと動き出す。天使を救うのだ! 失踪した悠介の探索や由布子惨殺の真相をあばくミステリー要素もありながら、麒一郎の生き様が悲しくも神々しい。2023/03/14
青葉麒麟
22
思ってた以上に税金に関する話がポンポン出て来て読むのに苦労した。無税で何億も相続出来るなんて話をトッカンの鏡が知ったら卒倒しそうだなぁf(^^;2012/10/15
じゅん兄
21
ラストはちょっと不満だけどストーリーは非常に面白かった。多方面に亘って知識豊富な作家であることはわかったので、もうちょっとさりげなく表現してもらうと良いのかも。2014/08/09
はな
18
タックスヘブンや日本に税金を納めない方法等は自分の人生に無縁なので理解の域を超えていたが・・・それらを抜いても相変わらず犯人に目星が付かず結末に驚いた。2019/02/15
吉田 光貴
17
税金の話には興味がもてず序盤は苦労したが、サスペンスタッチのストーリーにはグイグイ引き込まれた。総じて理路整然としている為とても読みやすく物語を追いやすい。2017/05/18