内容説明
合併してできたミズナミ銀行に勤める日未子は三十歳を前に揺れていた。仕事も恋も中途半端。一方、行内で男たちが不毛な権力闘争を繰り広げていた。ポストを巡る足の引っ張り合い、部下の手柄の横取り、パワハラ…。そんな中、ついに悲劇が起こる。そのとき、日未子の不倫相手・利洋が見せた本性とは。組織の闇を描く、超リアル企業小説。
著者等紹介
江上剛[エガミゴウ]
1954年兵庫県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。旧第一勧銀時代に総会屋事件を収拾し、映画『金融腐蝕列島 呪縛』のモデルとなる。2002年に『非情銀行』で作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ユザキ部長
83
人には3つの別の人格を持つ。後悔になやむ自分。励ます自分。その諍いを葛藤と呼ぶ自分。心細くても気丈に、精一杯生きても答えがない地獄。大切な事は否定せずに受け入れる事。言い繕った言葉ではなく自身の心の感情で生まれた気持ち大切に言葉にして行動すれば良いのかも知れない。愛し、受け入れ、観察して大切に臨む。大丈夫。人には負けない自分自身が必ずある。勇気づけられた本2018/09/23
Tsuyoshi
64
合併した銀行内で出世を目論む上司との不倫により権力闘争に巻き込まれていく29歳のOLの話。妨害、嫌がらせ、裏切り。似たような権力闘争は日常的にありうる光景だし、女性の方がたちが悪かったりもする。結婚も焦っているなかで不倫に至り、割りきれてなかった主人公には最後のブチギレも含め同情の余地はなく、感情移入できず。2018/03/31
青葉麒麟
19
生理的に無理。肌に合わ無かった(>_<)日未子にずっと苛々しっぱなし。自分が利洋に機密情報洩らした癖に全然判ってなかったり、変に開き直ってるのも有り得ん(`□´)自業自得。2012/07/27
ねこミー
15
合併してできた銀行内での人事の話。女性行員の視点で描かれています。社内恋愛やヨガの話なども出てきますが、ストーリー展開は衝撃的でした。2021/03/27
トラビス
11
大銀行の合併人事というタイトルにつられたが、内容は期待していたものと外れた。まず主人公がよくわからない。能力ある銀行員なのだろうが、憧れの上司と不倫、高級ホテルで食事とその後のスウィートルームでの満たされる情事。十分ではないか!出張を理由に朝まで一緒にいてくれなかったことを恨むって。何様なんだ。2019/04/16