幻冬舎文庫
玄冶店の女

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  • サイズ 文庫判/ページ数 347p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784344409859
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

日本橋の玄冶店と呼ばれる路地で小間物屋を営むお玉は、元花魁。身請けされた旦那と縁が切れた矢先、芸妓屋の顔見知りの娘が通う手習い所の師範・青木陽蔵に出会う。その清廉な人柄に、お玉は強く惹かれるが、それは世間が許さぬ分を越えた恋だった…。運命に翻弄されながらも健気に生きる女たちの切なくて心温まる八つの物語。傑作人情譚。

著者等紹介

宇江佐真理[ウエザマリ]
1949年北海道函館市生まれ。函館大谷女子短大卒。95年「幻の声」でオール讀物新人賞を、2000年「深川恋物語」で吉川英治文学新人賞を、01年「余寒の雪」で中山義秀文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ミカママ

465
舞台は日本橋の東にあったという、玄冶店と呼ばれる小さな路地。元吉原の花魁で今は落籍されて小間物屋を営むお玉や、他にもワケありの女たちのお話。助け合って生きる、彼女たちのたくましさとしなやかさに惹かれる。身請け後の花魁、おとぎ話的に「めでたしめでたし」なのかと思えば必ずしもそうではないリアル。「あばえは言わないよ」女同士の友情にラストは感極まる。お玉と青木先生の行く末に幸あれ。ハズレのない宇江佐先生の市井モノの中でもこれは特上品。【遊廓部参考図書】2020/05/28

じいじ

102
いいですねぇ。江戸・日本橋を舞台にした宇江佐さんの市井モノ。時として、粋な新内流しも通る玄冶店の路地。俗にお妾さん横丁とも言われていました。ここで、小間物屋を営む29歳女ざかりのお玉が主人公。もとは吉原の売っ子花魁でした。ここに棲む住人はもちろん、周辺の商家の人々すべてが温かく人情味に溢れています。中でも、芸妓を夢見る8歳の小梅ちゃんがひときわ輝いています。おしゃまでお利口さんでお玉にも懐いて可愛いです。江戸下町の人情の機微に癒されました。いつもの宇江佐さんの読み心地のいい素敵な一冊でした。2019/09/26

ふじさん

90
玄冶店と呼ばれる路地で小間物屋を営むお玉は、元花魁、身受けされた旦那と縁が切れた矢先に、手習い所師範の青木陽蔵と出会う。玄冶店で訳ありの女たちが運命に翻弄されながらも健気に生きる切なく心温まる物語。お玉が青木の病を知り、後を追う決心し、お喜代との別れのシーンは、二人の様々な思いがわかるだけに思わずジーンと来た。 2021/05/07

60
小間物屋“糸玉”を営む元花魁のお糸を中心に玄冶店に住む女たちの物語。小梅、お花、お喜代、おまさ。ここに登場する人物は個性的で人間味溢れる魅力的なキャラクターばかり。お玉もとても魅力的で、みんなに姉さんと慕われているのがわかる。悩んでいるときには心を寄せてくれるけれど、決して深入りはしない適度な距離感が心地よいのかな。お茶を飲みながらおしゃべりしたり、湯屋で背中を流しあったり、楽しげな様子が伝わってくるお話しでした。おもしろかった。2016/04/29

ぶんこ

59
粋な黒塀見越しの松♪ と唄われる玄冶店横丁に住むお玉、お喜代、お花。 お玉は元花魁で、身請けされて小間物屋を、お喜代は芸者をしながら三味線の師匠、お花は年寄りに囲われている。 それぞれ人の女房となって暮らす身ではないけれど、分を守り、助け合って暮らしていました。 お玉さんの、他人の良い点を褒め、情に篤いところにホロっときました。 小梅ちゃんの愛らしさ、こまっしゃくれたところが可愛い。 玄冶店の入口には人形町末広亭という寄席があって、黒板塀もあったのですが、今は面影が残っていません。 小さなお稲荷さんのみ。2015/11/17

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