内容説明
夜毎、医師や患者の倒錯する欲望が充満したペニスを咥えこむ看護師の濡れた情事を描く「ナースコール」。間違えて満員の女性専用車両に乗ってしまった男子高校生が、五人の痴女に悪戯される「女性専用車両」。父親の借金の形に買われた十六歳の少女が、その家族に翻弄される表題作の、全三篇。年若い男女が様々に陵辱される、禁断の官能小説集。
著者等紹介
松崎詩織［マツザキシオリ］
２００６年、妖しく光る官能描写を絶賛され、「フラジャイル」で第四回幻冬舎アウトロー大賞特別賞を受賞。同年６月に、受賞作を収録した官能小説集『教育実習生』でデビューし、好評を博す（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐藤一臣
10
ナース物が面白い。実際にありそうだと思わせてくれる詳述ぶり。満員電車は、男子高校生の恥辱まみれ感が微笑ましい。どの作品も、淀みなく読みやすく、情景が目に浮かぶ。ただ、オチがなあ。いらないのではないかなあ。余韻に浸りたい男性は多いのでは。身体を合わせるまでの流れが、とても卑猥だけれども、合わせているときの様子が、あっさり目なんで、そこも男性には物足りないところがありそう。2020/11/11
松崎詩織
6
自分で書いた本です。 収録されている『くちづけ』、これが書きたかったから、私は作家になりました。
山のトンネル
5
「ナースコール」若くして末期癌患者となった男性。衰弱していく肉体に、自らの死期が近いことを感じとる。だが、まだ死にたくない。ある日の深夜、ナースコールで看護師を呼び出す。生きることを渇望する彼の「生」が、男性器の勃起として生々しく描かれる。男性の滾る性。男性が最後に放出する性(生)を、自らの体で受け止めるナース。その生(性)を飲み込むナースは、白衣の天使などではなく、まさに白衣の悪魔といえる。しかし、皮肉なことにその悪魔は、男性たちの欲望によって育てられたのだ。生と性が絡み合う蠱惑的なストーリー。2022/10/17
takam
5
短編小説を3部収録している。3部それそれで著者が変わっているのではないかと思うくらいに内容にバラエティがある。私はポルノ要素をふんだんに含む小説を読んだことが初めてでレビューできる立場にないと思うが、3作目のような耽美な描写が結構面白いと思った。2019/09/08
らむり
1
女性専用車両が特に面白かった。★★★★☆
