内容説明
二〇〇四年、ネットで集まった見ず知らずの男女七人が車の中で練炭自殺を図った。彼らはなぜ死を選択したのか。初期の頃からネット自殺を追い続けてきた著者は「死んで欲しくない」一心で彼らを止めようとするも…。実行にふみきれず、死を免れた参加者への取材も新たに収録。自殺が跡を絶たない現代に、改めて命の価値を問うノンフィクション。
目次
introduction 七人が見た最後の風景
1 マリア
2 生きづらさのサイン
3 わかれ道
epilogue ネット心中から見えるもの
special chapter 男女七人のその後
著者等紹介
渋井哲也[シブイテツヤ]
1969年栃木県生まれ。93年東洋大学法学部卒。「長野日報」社を経て98年フリーに。2001年東洋大学大学院文学研究科教育学専攻博士前期課程修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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中野(racoon)
9
★★☆☆☆ 話題がとっ散らかっててわかりにくかった。○○在住の男性(22)みたいな書き方が多くてこれとこれは同一人物だっけ?みたいな混乱がしょっちゅう生じるし、適当な仮名でいいから全員につけてくれたほうが・・・。あくまでもメインはマリアのこと、とするのならもっと偏っててもよかったような気がする。死の直前まで交わしていたメールや電話の内容、自殺サイトや2ちゃんねるへの書き込みが詳しく原文ママで読めたのはよかった。子どもが好きで大切でも、だから生きていこうってことになれない場合もあるんだなと驚いた。2015/09/20
ことな
5
いのち=尊いものという概念に疑問を持っていた私には本書の「生きづらさ」という言葉に慰みをもらいました。見ず知らずの者達が集まり集団で心中をする。その気持ちを理解することは出来ない。だけど、彼らが残した。「しあわせになれるなら、生きていたい」、心中場所を知らせ「見つけてください」と書き残す言葉には寂しさを募らせました。前を向けない自分を、横向きと例えたり、自分のことをよく分かっている様に思えます。死を願うその行動は責められるものではありません。ただ、その行動が私の大切な人でないことを強く願いました。2022/05/27
うたまる
2
実際の事件をきっかけにネット心中の問題を語る本。しかし、こういう人たちがいる、こういう問題がある、というアナウンスのみで、いつも著者お気に入りのフレーズ『生きづらさ』で締めて終わり。だから当然納得感は得られない。まあ、納得できるようなテーマではないのかもしれない。精神学者とマスコミがレッテルはりをやって問題を拡散させている、という点は大賛成……「命名によって増えるということもあります。深いレベルの病理が減ったが、浅いレベルの病理が増えている。(中略)でもはっきりとしたトラウマや理由がなかったりするんです」2014/06/14
まーしゃる
1
自殺願望は自分には無いと思うが、自殺に関する興味は尽きないし、死ねばもう辛いことしんどいことを味合わなくて済むという気持ちはわかる。2022/06/06
茶々太郎
0
つまらん。広げすぎて深められないという、一番どうにもならない書き方だわな。「自死を選ぶのは悪くない、止められない周囲が悪い、特に警察や医者はもっと責任を持て」という、責任転化で終始しているのが不快。2012/03/08