内容説明
「それでは始めようか。服を脱いでください」。ファインダー越しの先生の視線を感じながら、静香は身体を開いていく。吐き気がするほどの羞恥と緊張、そして悦楽を味わいながら―。女子大生と大学教授、そしてその妻との奇妙な三角関係を描いた「先生と私」。13歳の美少年に恋をした女教師が禁忌を犯し続ける表題作など全三篇。傑作官能小説集。
著者等紹介
松崎詩織[マツザキシオリ]
2006年、妖しく光る官能描写を絶賛され、「フラジャイル」が第四回幻冬舎アウトロー大賞特別賞を受賞。同年六月に『教育実習生』(幻冬舎アウトロー文庫)でデビューし、好評を博す。気鋭の女流官能作家として注目を集めている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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佐藤一臣
11
主人公の女性の気持ちがステレオタイプで表現されており、肌感覚が感じられなかった。これは私が男性だからかもしれないが、身体の反応描写を期待して読んだ分、残念な思いがした。『先生と私』が面白く、密かに見られているという設定と儚い命を前提とした登場人物たちの心情とエロスは、官能純文学の系譜を担っていたように感じた。他2作品は、設定やテーマが中途半端で、欲情をそそられなかったなあ2020/04/07
松崎詩織
0
自分で書いた本です。 二冊目に刊行した短編集です。 いろいろと実験をした挑戦作でした。
ナコち
0
私が好きなのは。 二作目の、陵辱の果てに。 レイプものは基本的に吐き気がするしありえない。 だが、過程で主人公が変化する様は興奮してしまう要素はある。 そして、何度も繰り返される中で身に起こる変化と戸惑い。 憎悪と殺戮の心に支配されながらも、 それを実行せず、悟ってしまった彼女の心情がやるせなく、切ない。 世界も人も、綺麗なもので満ち溢れていて、 それだけを喰って生きているわけじゃない。 それをいっぺんに思い知らされた彼女の表情と背中が辛い。 2010/12/21